入社初日、オフィスに着いたとき、私はひとりでした。
同期は5人。全員と初めて顔を合わせたのは入社式の朝。名前を覚えるのに精一杯で、それ以上のことは何もできなかった。その日の夜、1Kのアパートに帰って、誰とも会話せずお湯を沸かしながら、じわじわと実感しました。「あ、私、東京に友達がいないな」と。
北海道にいたころは、幼なじみがいて、大学の友人がいて、地元の居場所があった。それが一夜にしてリセットされた感覚。上京の孤独って、こういうものなんだと思い知りました。
この記事では、知り合いゼロ・同期5人という状況から、どうやって東京での人間関係を作っていったか、正直に書いていきます。
同期5人という環境は、正直しんどかった
私の会社は決して大きくありません。新卒の同期は私を含めて5名。男2女3で私以外は長らく関東住み、共通点を見つけるのに少し時間がかかりました。大企業なら同期が何十人もいて、自然と気の合う人が見つかるかもしれない。でも5人という少人数では、そういうわけにもいかない。
最初の1ヶ月は、ランチに誘うのにも勇気が要りました。「断られたらどうしよう」「空気が悪くなったら嫌だな」と余計なことを考えすぎて、結局ひとりでコンビニのおにぎりを食べた日が何度あったか。
でも、ある日思い切って「よかったら一緒に行きませんか」と声をかけてみたら、あっさり「いいですよ」と返ってきた。それだけのことなのに、なぜあんなに怖かったんだろうと今では思います。
同期とは今も仲良くしています。少人数だからこそ、一人ひとりとじっくり関われたのはむしろよかったかもしれない。ただ、5人だけでは世界が狭くなると気づくのに、そう時間はかかりませんでした。
社内だけでは、限界がある
同期や職場の人たちとの関係は大切です。でも、職場の人間関係には独特の緊張感があって、本音を話せる「友達」とは少し違う。仕事の愚痴も、恋愛の話も、将来への漠然とした不安も、職場では話しにくいことってたくさんある。
上京して半年が過ぎたころ、私は「社外に友人を作らないとまずい」と本気で思い始めました。週末に予定がない、連絡できる人がいない、誰かと話したいのに話せない。その感覚が積み重なって、じわじわと心が重くなっていったからです。
私が実際に試した3つのこと
① 趣味のコミュニティに飛び込んだ
もともと料理が好きだったので、社会人向けの料理教室に通い始めました。月2回、2時間ほどのクラス。最初は完全に一人で申し込んで、内心ドキドキしていました。
でも料理という「共通の作業」があると、自然に会話が生まれる。「これ、火加減どうしてますか?」「そのエプロン可愛いですね」。話すきっかけが自然と向こうからやってくるんです。3回目のレッスンで連絡先を交換した人が、今では一番よく遊ぶ友人のひとりになっています。
料理でなくても、ヨガ・写真・読書会・ボルダリングなど、何でもいい。大事なのは「定期的に同じ人に会える場所」を作ること。一度きりのイベントより、継続的なコミュニティのほうが関係は深まりやすいです。
② SNSで「同じ境遇の人」を探した
上京したばかりのころ、XやInstagramで「#上京」「#一人暮らし」「#社会人1年目」などのタグを検索してみました。すると、同じような境遇で発信している人がたくさんいた。
最初はただ読むだけでしたが、共感したポストに返信してみたり、自分も発信してみたり。オンラインの繋がりが、実際のオフ会や食事につながったこともあります。「SNSの知り合いとリアルで会うのは怖い」という感覚もあると思いますが、公共の場所でカフェから始めれば問題ありません。むしろ「同じ状況を共有している」という安心感から、話が早かったりします。
③ 地元の友人との繋がりを意識的に保った
東京に来てから「地元の友達とは疎遠になるもの」だと、なんとなく思い込んでいました。でもそれは思い込みで、連絡さえ続ければ関係は続く。
私は年に一度のペースで帰省しています。年末年始でなかなか声をかけずらいですが、そこは断られるものと思って連絡。それ以外はLINEや通話で近況報告をしています。地元の友人は、東京の人間関係とはまったく別のところにいてくれる存在。弱音を吐けるし、東京での自分を客観的に見てもらえる。その安心感は、想像以上に大きかったです。
また、「東京に遊びに来てよ」と声をかけて、友人を呼ぶのもおすすめ。案内役になることで、自分自身が東京に慣れていくという副産物もありました。
やらなくてよかったこと(失敗談)
上京1年目、私は「孤独を埋めなければ」という焦りから、乗り気でない飲み会にも毎回顔を出し続けた時期があります。「断ったら関係が壊れるかも」という不安から。
結果、体は疲れるし、お金は減るし、でも本当に仲良くなれたかというと微妙だった。表面的な付き合いを広げることに必死になって、肝心の「自分が心地よい関係」を見極めることを後回しにしていた気がします。
人間関係は、数を増やすより「一緒にいて楽な人」を見つけることのほうがずっと大事。そのことに気づくのに、半年かかりました。
上京の孤独は、きっと乗り越えられる
上京したての孤独は、本物です。あれは「気のせい」でも「甘え」でもない。知っている顔がいない場所で一から始めることの、正直なしんどさだと思う。
でも、半年・1年と経つうちに、確実に変わっていきます。焦って無理に友達を作ろうとしなくていい。自分のペースで、好きなことを入口にして、少しずつ繋がりを作っていけば大丈夫です。
いまこれを読んでいるあなたが、上京したての孤独の中にいるなら、ちょっとだけ伝えさせてください。
大丈夫です。私もそこを通りました。

