このページでは「クラシック音楽を聴くには?」を説明していきましょう。
録音
毎日の暮らしのなかで時や場所に応じた音楽を楽しむのは、クラシック音楽鑑賞の醍醐味のひとつです。朝の目覚め、食事、家事をしているときのBGMとして、また仕事の疲れを癒すため、あるいは眠りにつくときなど、気軽にクラシック音楽を楽しむことができます。
78rpm recordであるSP盤、LPレコードそしてCD(コンパクト・ディスク)と、録音盤は時代とともに変化し、現在はCDのみが製造されています。また、電子データとして配信される音源をデジタルオーディオを用いて楽しむことも増えてきました。
ポピュラー音楽と比べると、クラシック音楽は音の強弱や音域の幅が広いため、これらを再生し表現できる能力をもつ機種が必要です。
一体型のラジカセは、持ち運びできるという利点がありますが、スピーカーを選択することができません。ラジカセでは低音があまり響かず、交響曲などの壮大でダイナミックな音楽にはあまり向きません。
コンポ(コンポーネント・ステレオ)の場合、必要なものだけをそろえ、音をよくするためにスピーカーにこだわり高級なものにすると言った選択ができます。
ライブ中継
クラシックの世界にもライブ中継があります。
以前はライブ中継といえば、ラジオが主流でした。スピーカーから流れる音楽に耳をすませ、目を閉じればオーケストラの演奏が目の裏に浮かんでくる、そんな演奏に出くわした方もいるかもしれませんね。
ラジオではノイズがあり、小さい音はかき消されることもあったかもしれませんが、ラジオ音源ではそれもまた味を出しており、愛好家は楽しんだものです。
今では、コンサートホールの感動と興奮を、高画質・高音質であたかもコンサートホールにいるような感覚で視聴することもできます。PCやスマートフォンを使うことで、インターネット環境のある場所であれば、どこからでも視聴可能です。
インターネットの発達とともに音質が格段によくなっただけでなく、様々なサービスでストリーミングを見かけるようになりました。
コンサート
気軽にクラシック音楽に接するには録音やライブ中継を聴くのも素晴らしい方法ですが、鑑賞に集中し大きな感動を得たいのであれば、生演奏に勝るものはありません。
生演奏、つまりコンサートに出かけるなら、録音や放送を通してある程度の知識を蓄えてからの方がよいでしょう。数時間、音楽だけを聴くのですから、鑑賞に没頭できないようではもったいないのです。コンサートを心ゆくまで楽しむためには、自分の好みの曲目を選ぶことも大切です。
初心者の場合には、耳になじんだメロディーが多いほど、安心して楽しめるものです。生演奏を聴くとなると、どの人も素晴らしい音響や演奏を期待しがちですが、一般的に、生演奏は、放送やCD盤などで聴くよりも音質・演奏内容にばらつきがあるものです。なぜなら、録音が生演奏をより質の高いものに編集されているのに対し、コンサートでは演奏家や指揮者のコンディション・リハーサルの回数・演奏会場の環境などに影響され、その上やり直しのきかない、一度限りのものだからです。
初めて生演奏を聴くと、ほとんどの場合、テレビやCDほど細かな部分の音色が聴こえないことに驚くでしょう。座席の位置によっては、特定の楽器の音が際立って聴こえてしまうこともあります。
それでも、生演奏にとりつかれる人がいるのは、その何度かに一度、目の前で演奏の空気を共有していなければ決して得られない、素晴らしい体験が待っているからです。指揮者と楽団員と聴衆がそろって奇跡を感じる名演奏、それは、その場にいる人だけが分かち合える、特別なものであるといえます。