ロボアドバイザーの比較ポイント〜WealthNavi、THEO、FOLIO等の比較

巷で話題の投資ロボ・アドバイザー。WealthNavi、THEOにTHEO+、FOLIO、クロエ、ダイワファンドラップ、楽ラップ、マネラップ、MYDC・・・色々あるけれど、一体何が違うのでしょうか。メリット、デメリットを比較し、ロボアドの特徴を理解していきましょう。

ロボアドとは?

最近の流行ワードに、金融とITの融合という意味で"FinTech"という単語が出現しました。金融を表す"Finance"とITの"Technology"を組み合わせて作られた単語ですね。ロボアドはFinTechの活用のひとつと言えます。ロボアドとはもともとロボアドバイザーを略した言葉です。ロボアドの役割は「金融工学の手法を駆使して投資の支援(アドバイス)をすること」ですが、そのカバーできる業務・運用の範囲により、大きく2つのタイプに分けることができます。

最初のみ方針を設定し、あとは自動でおまかせ運用

ロボアドのひとつのタイプは、最初にいくつかの質問に答えることでポートフォリオ(金融資産の組み合わせ・配分)が提示され、利用者が納得した場合に運用を自動的に行ってくれるサービスです。ロボアドとしてよくイメージされるのは、この「おまかせ」での運用ですね。サービスを提供しているのはITを得意とするベンチャー系の企業が多くなっています。

このおまかせ運用のタイプは「投資一任型」と言います。投資一任型ではロボアドを提供する企業と投資一任契約を結び、専用の口座を解説することになります。専用の口座を開くことが必要になる点は、金融機関が営業でよく勧めている「ラップ口座」に少し似ています。ラップ口座と比較すると、投資一任型のロボアドはインターネット上で取引や相談が完結します。そのためラップ口座よりも手数料が低くなるという特徴があります。

アドバイスだけしてくれ、運用は各自で行う

ロボアドのもうひとつのタイプは、アドバイスだけしてくれるというものです。こちらもいくつかの質問に答えることでポートフォリオや金融商品が提示され、そのアドバイスをもとに、商品の購入やリバランスを自分で行うものです。大手の金融機関が提供しているサービスにはこちらのタイプが多い印象です。

こちらのアドバイスだけの型を「アドバイス型」と言います。アドバイス型ではロボアドはあくまでもアドバイスのための機能を提供するだけで、すでに持っている証券口座を利用して取引を行うことができます。運用は自分で行う必要がある分、手数料は投資一任型のおまかせよりさらに低いか、証券口座を持っていれば無料で行うことができるというメリットはあります。

ロボアドバイザーの比較ポイント

ロボアドの特徴としては、先に出てきた「おまかせ運用か、運用は自分で行うか」という違いがありますが、ロボアドを選ぶ上で重要な比較ポイントは他にもあります。

アルゴリズム

アルゴリズムというとあまり聞きなれない難しい言葉ですが、要するに「何を考慮に入れ、何を重視して投資のアドバイスをするのか」というロジックです。ロボアドは金融工学的に最適と思われる運用方法を提案してくれますが、種類によって重視する金融工学の理論が異なっており、投資対象の商品にも差異があります。他にも、損切りはするのか、値上がり益を狙うのか配当利子を狙うのか、どれくらいのリスクを許容するのかなど、様々な観点があります。

最低投資金額

ロボアドにより最低投資金額が大きく異なっています。いきなり大きな金額を預けるのは心理的な抵抗がありますが、必要な最低投資金額はサービスにより異なっており、ロボアドを選ぶ上では気になるところです。もし最低投資金額が大きいのであれば、少しずつ積み立てて運用を考えている人には向かないかもしれませんね。

とはいえ、運用が安定してくればある程度大きな金額が対象になるでしょうから、気になるのは最初だけでしょう。

コスト

投資のコスト(売買コストなど)だけでなく、ロボアドの利用料にあたるコストの有無も考慮する必要があります。特に長期投資では複利効果のために、コストの差が長期のリターンに大きく影響してきます。

会社により手数料の割引があるかどうかはもちろんですが、ロボアドによっては税金という「隠れたコスト」を最適化するなどの高度な機能があることも大きな違いです。

ここでひとつ注意点がありますが、ロボアドは最近現れたということで長期での運用成績データが存在しません。そのため、どれだけ相対的に勝っているかという実績の比較が難しいということになります。成績のよいファンドであればコスト負担も受け入れやすいのですが、ロボアドを選ぶ上では悩ましいところですね。

ロボアドバイザーの比較

WealthNavi(ウェルスナビ)

WealthNavi
  • 世界の富裕層・機関投資家が活用する高度な金融工学を採用
  • 2016年7月にサービスを開始し、総預かり資産は1,400億円以上
  • 最低投資額は10万円から、手数料は預かり資産の1.1%(税込)

WealthNaviはみずほ銀行・日本政策投資銀行などの大手金融機関や政府系ベンチャーキャピタルが出資する「ウェルスナビ株式会社」が提供するロボアドバイザーです。手数料は預かり資産3,000万円まで1.1%(税込)、3,000万円からは0.55%(税込)となっています。預かり資産という意味では最も評価が高く、ロボアドというと、まずWealthNaviから始めるという方がとても多いのです。

WealthNaviの特徴は高度な金融工学を組み入れたアルゴリズムを採用しており、他のロボアドバイザーと比較しても豊富な投資サポート機能が備わっている点です。ポートフォリオの自動構築機能や金融商品の自動リバランス機能という多くのロボアドが持つ特徴に加え、特許を取得している「リバランス機能付き自動積立」「自動税金最適化(DeTAX)」という独自の機能が搭載されています。特に、DeTAX機能は「投資により発生する税金を最適化する」というWealthNavi最大のメリットとも言える機能となっています。

運用する金融商品は米国上場ETFです。国際金融市場の中でも主要市場である米国に上場しているETFの中には、日本の株価指数に連動するETFもありますから安心ですね。実際の内訳としては、株式(米国・日本・欧州・新興国)や債券(米国、物価連動債)、金、不動産などを投資対象とするETFを扱っています。

金融工学のポートフォリオ理論を駆使しながら、手間なく低コストで国際分散投資を得られるということで、人気を呼んでいます。

>> WealthNavi公式サイト

「WealthNavi」の詳細を見てみる

THEO(テオ)

THEO
  • 世界の富裕層・機関投資家が活用する高度な金融工学を採用
  • 2016年2月にサービスを開始し、総預かり資産は360億円以上
  • 最低投資額は1万円から、手数料は預かり資産の1.1%(税込)

THEO(テオ)は、金融ベンチャー企業である「株式会社お金のデザイン」が提供するロボアドバイザーです。スマートフォンからの口座開設や投資プラン作成・変更ができる、最低投資金額が1万円と低額であるというお手軽さから、<20代・30代の若い世代の利用者が多い特徴があります。手数料は預かり資産3,000万円まで1.1%(税込)、3,000万円からは0.55%(税込)となっています。

資産運用の手法は、独自開発のアルゴリズムをベースとした国際分散投資とクオンツ運用に基づきます。クオンツ運用とは、金融市場のデータ分析をもとにしたアルゴリズムに基づく運用のことです。AIが自動でポートフォリオをリバランスし、運用結果も毎月報告となっています。投資プランが24時間365日変更可能で、投資方針に即日反映されるため、おまかせ運用でありながら細かい要望を出せる点が、多くの情報を自分で集める若い人から好まれており、そのような方にはおすすめ ね。

運用する金融商品は米国上場ETFです。実際の内訳として、投資対象は株式(国内、先進国、新興国)、債券(国内、先進国、新興国、外国社債)、不動産(REIT)、商品(農作物、金、銀)、インフラ、林業を投資対象とするETFを扱っています。投資対象のETFは最大30種類以上となっており、他のロボアドバイザーと比較してバリエーションでは圧倒的しています。

特徴としてTHEO積立というサービスがあります。これは毎月もしくは指定した月に銀行口座からテオの口座へ一定額を自動で引き落とし、積立投資を行うサービスであり、若い人でも月額1万円から積立をはじめやすいサポート機能もあります。

類似サービスとして、「THEO+」「MYDC」と呼ばれるサービスがあります。これらはいずれも運用アルゴリズムはほぼ同じです。THEO+では提供企業ごとにポイントサービスが含まれており、代表的な提供企業としてNTT Docomo、SBI証券などがあります。MYDCはTHEOの個人型拠出年金のiDeCoを対象としたサービスで、60歳引き出しを前提としています。残念ながらiDeCoでは制度上「おまかせ運用」ができないので、MYDCは「商品の組み合わせ」のみ提供してくれます。つまりMYDCはアドバイスだけしてくれるタイプのロボアドということですね。

>> THEO公式サイト

「THEO」の詳細を見てみる

FOLIO(フォリオ)

FOLIO
  • 世界の富裕層・機関投資家が活用する高度な金融工学を採用
  • 2018年8月に正式サービスを開始
  • テーマ投資なら最低投資額は約1万円(テーマによる)から、手数料は売買代金の0.55%(税込)
  • おまかせ投資なら最低投資額は10万円から、手数料は預かり資産の1.1%(税込)
  • ワンコイン投資なら最低投資額は500円から、手数料は預かり資産の1.1%(税込)

FOLIO(フォリオ)は、「株式会社FOLIO」が運営しているオンライン証券会社です。テーマに沿った企業10社の株をセットにした「テーマ投資」と、ロボアドバイザーによる資産運用「おまかせ投資」、そして最も注目の最低500円から投資できる「ワンコイン投資」の3つのサービスを提供しています。

FOLIOのおまかせ投資は簡単な3つの質問に答えるだけで、5種類の運用プランの中から自身に合ったものを診断してくれます。質問内容は、年齢、年収、預貯金の額となっており、手軽に診断できるのが嬉しいですね。

FOLIOの最大の特徴にしてメリットとして、2019年4月からLINE上で投資ができる「LINEスマート投資」に「ワンコイン投資」サービスがスタートしました。それまでLINEスマート投資では「テーマ投資」のみが可能でしたが、選択肢に大きく幅が広がりました。

特にワンコイン投資の積立額は「LINE Pay」のインセンティブ制度「マイカラー」の対象となります。毎月資産運用をしているだけで「LINE Pay」のボーナス還元率UPという特典を得ることができます。しかもワンコイン投資は完全に「おまかせ運用」ですから、積立以外に日常で意識することはありません。投資ができて、LINE Payボーナスも得られるという、まさに若い人にはメリットづくしのロボアドといえます。しかも2020年4月までは運用手数料が無料になるというのも嬉しい特典ですね。

おまかせ投資で運用する金融商品は米国上場ETFです。実際の内訳としては、株式(米国・日本・欧州・新興国)や債券(米国、物価連動債)、金、不動産などを投資対象とするETFを扱っています。

みずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、イオン銀行、ジャパンネット銀行のいずれかに口座を持っている方であれば、FOLIOの口座へ無料で入金が可能となっています。FOLIOではワンコイン投資以外では自動積立に対応しておらず、積み立てたい場合、自身の手作業で入金を行う必要があります。入金する毎に手数料も必要になるので、積立投資を行うのであれば、先の銀行口座を利用するのがよいでしょう。

>> FOLIO公式サイト

「FOLIO」の詳細を見てみる

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