なぜセブン&アイはnanacoの改悪を続けるのか

2020年3月12日より、nanacoにチャージできる新規クレジットカード登録がセブンカードおよび系列カードに限られることになった。これまでもnanacoを巡ってはポイント付与の終了や収入代行終了などの改悪が続き、2019年はその改悪のピークだったと思われたが、ついに最後の希望が絶たれた。なぜセブン&アイはこんなにもnanacoの改悪を続けるのか見ていこう。

セブン&アイの決済について

nanaco

ご存知の通り、nanacoはセブン&アイ系列で利用できるチャージ式電子マネーだ。2007年4月23日より利用が開始され、2010年3月には発行枚数が1,000万枚を超えたと発表された。nanacoがよく使われていたのは、公共料金の支払いに使える、クレジットカードによるチャージでクレジットカード側のポイントが貯まるというメリットが過去にはあった。

また、nanacoのカードにはQUICPayというポストペイ式の電子マネーが搭載されていることも特徴だ。

セブンカード

セブンカードはセブン&アイの系列で発行しているクレジットカードだ。2011年7月1日に発行が開始された。2002年3月4日に発行開始したアイワイカードを前進としており(現在は発行停止)、ゴールドカードが無料ということで一定の人気があるようだ。

年会費無料のゴールドカードとしては、セブンカード、イオンカード、エポスカードが有名だが、その中でもセブンカードは希少性が高い。

7pay

7payについては最近の出来事だったのでよく知っている方も多いのではないだろうか。2019年7月1日にサービスが開始されたが、2019年7月2日には不正利用が発覚し、2019年8月1日には7pay廃止を発表、2019年9月30日を持って完全にサービスが終了した。

セキュリティへの認識の甘さが露呈し、結果的にセブン&アイグループの決済サービス普及だけでなくグループとしての信用を失墜させることになってしまった。

nanaco改悪の歴史

nanacoの歴史は残念ながら改悪の歴史と言っても過言ではない。ここではその一連の流れを見ていこう。

  • 2007年4月23日 nanacoサービス開始
  • 2015年6月1日 漢方クラブカードによるnanacoチャージのポイント付与率が1.75%から0.25%に低下
  • 2018年4月16日 リクルートカードによるnanacoチャージによるポイント付与の金額に上限が設定され、月3万円までに
  • 2019年7月1日 セブン&アイグループ内でのnanacoポイント付与率が1%から0.5%に低下
  • 2019年9月19日 nanacoの1日のチャージ回数上限および1ヶ月のチャージ回数上限が低下
  • 2019年12月20日 セブン-イレブンにおける収納代行サービスの一部や貸付金・クレジットカードご利用代金の返済などのnanaco支払いが不可になる
  • 2020年2月1日 Yahoo!カードによるnanacoチャージがポイント付与対象外になる
  • 2020年3月12日 セブンカード以外によるクレジットチャージ(新規カード登録)が不可能になる
  • 2020年3月12日 セブンカード以外によるクレジットチャージ(新規カード登録)が不可能になる
  • 2022年2月16日 リクルートカード(JCB)によるnanacoチャージのポイント付与率が1.20%から0.75%に低下

セブン&アイは何を目指しているのか

nanaco改悪の原因のひとつと考えられているのがマイナス金利だ。セブン&アイもセブン銀行で知られているように、金融事業も行なっているが、マイナス金利が様々なところに影響が出ている。これまでnanacoにチャージできていたカード会社も収益性が悪化し、その結果としてnanacoだけでなく他社カード会社を含めて改悪を続けていた。

また、セブンカードもポイントサイトが増えてきたことで宣伝広告費が肥大し、結果的に収益性を悪化させているとも言える。

新決済サービスである7payの事業で大失敗してしまったことも大きい。セブン&アイは独自決済機能の次期中核とも言える電子決済の領域で遅れを取ってしまった。その失敗がグループの収益に影響を与えていることは想像に難しくない。

nanacoで還元率を最大化する方法

他社クレジットカードによるnanacoチャージは不可能となったが、それでもなお還元率2.3%でnanacoを活用することは可能だ。

まずセブンカード・プラスからnanacoにチャージする。これでチャージ金額に0.5%のポイントが付与される。

その後、nanacoでQUOカードを購入する。QUOカードの額面により還元率が異なるのだが、販売価格10,000円のQUOカードは101,80円支払いに利用することができる。つまり、10,000円のQUOカード購入により1.8%お得になる。

このQUOカードで買い物することで、トータルで還元率は2.3%となるわけだ。

さらにローソンで買い物する際、QUOカードでの支払い時にpontaカードを提示すれば1.0%のpontaポイントが付与される。これで3.3%お得になるわけだ。

もっと楽にお得にならないか?

労せずしてお得にはならないとはいえ、上で紹介したQUOカードを使った方法は非常に面倒だ。多少還元率が低くなってもせめて1%程度で、簡単にお得にならないだろうか?

その答えとしては、より還元率の高いクレジットカードを使う方法がある。

幸いにも最近ではクレジットカードを使えないコンビニを見かけることはほとんどないほど、クレジットカードによる決済は一般的になりつつある。

最も有名なのは、楽天カードだが、他にも高い還元率のカードが存在するので、以下の記事もぜひチェックしてみてほしい。

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