2019年12月、AppleはワークステーションとしてMac Proの販売を開始しました。単なる高性能なパソコンではなく、上級者向けのハイエンドモデルの機種として、様々なチューニングが行われています。今回は噂の新型Mac Proの特徴をみていきましょう。
新型端末の販売が開始!
Mac Proの発売
今回発売された新端末は2019年6月にそのシリーズが登場することが発表されていました。そして、2019年12月10日、Appleのワークステーションとして、Mac Proの販売を開始するという、発表が行われました。そして翌日の12月11日よりApple Storeにて発売開始となっています。
ワークステーションといえば、CPUのコア数とメモリ搭載量といった見た目上のスペックが高いことはもちろんのこと、スペックでは見えない「安定性」が重要であり、ワークステーションでも遂にAppleという選択肢が現れました。
まずは価格帯とスペックを比較してみましょう。通常モデルとフルカスタムでは大きく性能が違っています。
Mac Pro(通常のモデル) | Mac Pro(フルカスタム) | |
CPU | 第9世代3.5GHz 8コアIntel Xeon W | 第9世代2.5GHz 28コアIntel Xeon W |
メモリ | 32 GB | 1.5 TB |
ストレージ | 256 GB(SSD) | 8 TB(SSD) |
グラフィックス | AMD Radeon Pro 580X | AMD Radeon Pro Vega II Duo |
サイズ | 高さ52.9 cm x 幅21.8 cm x 厚さ45.0 cm(タワー) | 高さ22.02 cm x 幅48.02 cm x 厚さ53.95 cm(ラック) |
重量 | 18.0 kg(タワー) | 17.6 kg(ラック) |
価格 | 659,780円(税込) | 6,314,660円(税込) |
フルカスタムでは上記のようにCPU・メモリ・GPU・ストレージが上がっているだけでなく、Apple Afterburnerカード、ホイール付きステンレススチールフレーム、Magic Mouse 2 + Magic Trackpad 2が付属することになります。
実は、Mac Proと同時にリリースされたものがあります。それが次に紹介するPro Display XDRです。
Pro Display XDRの発売
Pro Display XDR(通常のモデル) | Pro Display XDR(フルカスタム) | |
仕上げ | 標準ガラス | Nano-textureガラス |
サイズ | 高さ41.2 cm x 幅71.8 cm x 厚さ2.7 cm | 高さ41.2 cm x 幅71.8 cm x 厚さ2.7 cm |
重量 | 7.48 kg | 7.48 kg |
価格 | 582,780円(税込) | 797,280円(税込) |
Pro Display XDRフルカスタムでは上記のように画面仕上げが異なることに加え、Pro Stand、VESAマウントアダプタが付属することになります。
Mac Proの特長
ここからは、プロの要望に応えた、今回のMac Proの特徴をおさえていきましょう。
先にも出てきましたが、ワークステーションには何よりも安定性が重要です。ワークステーションはハングアップつまりフリーズすることを許されない現場を支えるマシンです。たとえCPU&GPUがフル回転している状態で長時間稼働し続けても、ハングアップしない構造が求められます。そのため、ハイパフォーマンスであると同時に高負荷な状態で使い続けても冷却設計、広大なメモリ空間の制御できるよう作られているのです。
- 空調
- GPU
- アクセラレーター
空調設計(冷却)
Mac Proの内部写真を見ると、各部がカバーで覆われていることがわかります。このカバーは空気の流れを整流するためのエアロパーツとなっており、前面の「おろしがね」のようなパネルから取り入れています。おそらく、空気の通り道を分けて各部を冷却し、熱をもった空気が他のパーツエリアに入り込まないよう排気させるエアフロー設計がなされていると推察されます。
効率よく冷却できればオーバーヒートしにくくなりファンの回転数を抑えられるため、ノイズを抑えることに繋がります。長年コンピューターを作り続けてきたメーカーだからこそ可能な空調設計となっているのでしょう。
GPU(グラフィック)
Mac Proの目に留まる特徴といえば、今回から独自に採用されたMPX(Mac Pro Expansion)モジュールです。高速データ転送と大電力供給を可能にする新拡張スロットに、GPUを2機搭載したグラフィックボードモジュールを2台組み込めるようになっています。つまり、合計で4つのGPUを搭載することができるようになっているのです。
MPXのメリットは計550 Wの大容量の電源を供給ができる点であり、既存のデスクトップPCやワークステーションのように、電源の増設を考える必要はありません。筐体の内部でケーブルが無駄に浮いてこないため、空調を阻害する要因にもならず、高い排熱効果を維持することができます。
オプションで拡張を選べる選択肢も、現時点でグラフィックボードの中でも最高性能の「Radeon Pro Vega II Duo」となっており、究極のグラフィックを表現できるマシンとなっています。
アクセラレーター
動画編集、映像再生時のブースターとなる「Apple Afterburner」の搭載もMac Proの大きな特徴です。現時点ではMac Proのみに対応しているアクセラレーターカードとなっているため、「Mac Pro」でなければならない理由ともいえるでしょう。
一般に、動画編集をする際、たとえMacBook Proであってもパソコンでは4Kの映像を長時間再生できないため、プロキシと呼ばれる「軽い」バージョンの映像を作り編集を進めていきます。
Apple Afterburnerの存在により、最大3ストリームの8K 30p ProRes RAWの映像も処理できるようになっています。つまり、リアルタイムに3つの8K RAW映像を重ねて切る・貼るといった映像の編集ができるようになります。4K RAW映像であれば12素材を並べて編集することも可能です。
新しい端末選びのコツは・・・?
新しい端末を買うコツは、おさえておくべきポイントを踏まえ、しっかりとリサーチを行うことが重要です。以下の記事では新しい端末を買うためのポイントを紹介していますから、Mac Proの最新モデル購入にも役立ててくださいね。