新しいパソコンが欲しいとなれば、メーカー選びにスペック比較と実に大変です。一昔前はとりあえず国内メーカーという流れでしたが、今では使用目的によってどれを買えばよいのか専門家や詳しい方でも悩んでしまうところです。今回は満足できる一台を選ぶために、メーカーごとの特徴と違いについて見ていきましょう。
満足するパソコンを選ぶには?
パソコン選びの基礎知識については、以前にご紹介しました。パソコン選びの大まかな流れやなぜメーカーの公式ページから買うべきなのか気になる方は、これを読んで解決しましょう。
主なメーカー
端末を見ていく前に、有名なメーカーについて確認しておきましょう。
メーカーの選定は見落としがちですが、重要なポイントです。例えば、ビジネス用途では有名なメーカーであっても、クリエイティブな作業をする端末のラインナップがない等はざらです。また、サービスとしてサポートの手厚さもレベルには大きな差があります。そのため、用途によって購入するメーカーの候補は異なってくるのです。
もちろんここに紹介する以外にもメーカーは数多く存在するのですが、品質面やサポート面では有名メーカーの製品を購入する方が安心です。特に某中国系メーカーの端末には根本的な部分にスパイウェアが仕込まれていると言われており、信頼できるメーカーから商品を購入することが重要ですね。
購入してから後悔することのないよう、以下の特徴をしっかり押さえておきましょう。
パソコン専門メーカー
マウスコンピューター
機種はデスクトップからノートにタブレット、用途は一般モデルからゲーミングPC・クリエイティブモデルと豊富なラインナップを扱う専門メーカー。右肩上がりの成長を続けている会社で、高い開発力と大きな国内生産工場を持ち、品質管理やサポートも充実しています。性能に対して価格が安く、カスタマイズ可能で、デザインもシンプル、欠点がなくおすすめのメーカーのひとつです。
- 得意:パソコン全般。通常の個人向けPCとゲーミングPCが人気。
- 苦手:特になし。
国内電機メーカー
富士通
機種としてはノートパソコンやモニタ一体型、タブレットなどに力を入れています。比較的初心者の個人向け製品が多いのですが、ビジネス用のパソコンも販売。軽量ノート・テレビ兼用パソコンではNECと競っており、国内家電系メーカーとしては、豊富なモデルを揃えています。高齢者を重視したデザインやサポートを行っているのも特徴。
- 得意:初心者向け。一体型。高齢者サポート。
- 苦手:高性能モデルのラインナップが薄い。やや高価格。
NEC
初心者向けのノートパソコンやモニター一体型がラインナップの中心。映像や音響を重視した個人向けのAVパソコンが主力で、初心者向けに特化したマニュアルとサポートが充実しています。一方で、個人向けのPCは趣味などの一般利用を想定しており、ゲームやクリエイティブなど高度な作業には向きません。近年は軽量ノートパソコンに力を入れており、スリム型デスクトップも扱っています。ビジネス用途であれば法人向けの端末を検討しましょう。
- 得意:初心者向け。一体型やテレビ兼用。軽量ノート。
- 苦手:高性能モデルのラインナップが薄い。やや高価格。
Dynabook(東芝、シャープ)
2018年末に東芝のパソコン事業はシャープに買収され、企業名も「Dynabook株式会社」に変わりました。運営体制に変化はないので、東芝のパソコンと考えて差し支えありません。技術力が高く、品質重視のノートパソコンと言われています。薄型軽量ノートパソコンや、小型のビジネスノート、モバイルノートなどが中心です。東芝の耐久性やシャープのIGZO由来の高画質にも定評がありますが、全般的にスペックの割には高価です。近年はビジネス向けのラインナップを重視しているようです。
- 得意:軽量薄型ノート。ビジネス向け。サポート。
- 苦手:デスクトップなし。高価格。
パナソニック
現在パナソニックはビジネス用のノートパソコンのみ扱っています。Let's noteといえばノート端末として有名なシリーズで、価格はやや高めですが、ビジネスノートとして最高品質であり、軽量・高耐久・長時間駆動・強固なセキュリティを有しています。ビジネス機能に特化しており、映像や音響といったエンターテイメント寄りの機能は薄くなっています。
- 得意:高性能ビジネスノート(個人向け・法人向けともに)。
- 苦手:ビジネス用途以外。やや高価格。
VAIO(SONY)
VAIOはもともとSONYのノートPCシリーズでしたが、2014年にノートPC事業が移管されました。販売自体は今もSONYが行っていますが、端末の開発や生産は「VAIO株式会社」が行っています。製品ラインナップやコンセプトはパナソニックと重なっており、軽量かつ高耐久の高級ビジネスノートという位置付けとなっています。Let's noteと異なるのは、薄さや画質、デザインといったビジネス以外の要素も重視している点です。製品名のVAIOとは「Video Audio Integrated Operation」の略と言われており、オーディオ・ビジュアル面での性能にメーカーのプライドが見えます。
- 得意:高級薄型ノートPC。
- 苦手:ビジネス用途以外。高価格。
外資系パソコンメーカー
HP
HP(ヒューレット・パッカード)はアメリカのパソコンメーカーです。端末としては様々なモデルを揃えており、個人・法人問わずノートPCが人気です。高い性能があるのはもちろんのこと、デザインの優れた端末が多く、洗練されたフォルムの端末が多いです。プリンターやモニターといった周辺機器も揃っており、性能に対して価格は安い方です。ゲーミングPCを揃えてきたのは比較的最近ですが、どれも粒揃いの商品となっています。
- 得意:高性能ノートPC(個人向け・法人向けともに)。デザイン。
- 苦手:特になし。
DELL
こちらもアメリカのメーカーです。ラインナップとしては法人モデルを中心としており、使い勝手を重視、価格は安めという立ち位置です。コストパフォーマンスを重視するのであれば、DELLはかなり良い選択肢となるはずです。また、AlienwareというシリーズはゲーミングPCとして超高性能であり、高価格帯となりますが、カスタマイズも可能となっています。
- 得意:基本的にお買い得。ゲーミングPC。
- 苦手:一般モデルはカスタマイズ不可。
ASUS
台湾のメーカーです。読み方はエイスースが正式。どちかといえばパソコンのパーツのイメージが強いのですが、パソコンも悪くありません。一般用途のノートパソコンとゲーミングモデルが中心で、価格は安いのが特徴です。デスクトップは実績があまりなく、あまりおすすめできません。また、端末の不良などにはもちろん対応してもらえますが、サポート体制は充実しているとは言えません。
- 得意:安価なモデル。ゲーミング。
- 苦手:サポート全般。
Lenovo
中国のメーカーですが、ある程度の品質は担保されています。個人向けのラインナップもありますが、どちらかといえば企業向け商品を重視しており、安くて小型の製品を主力としています。耐久性とキーボードには定評があり、とにかく安く買いたい人に人気です。一般モデルは無骨なデザインですが、近年はスマートな製品も用意しています。
- 得意:安価なモデル。モバイルノート。
- 苦手:サポート。高性能モデル全般。
OS系メーカー
Microsoft
メーカーとしては、Surfaceモデルに代表されるように、「2in1」と呼ばれるノートとタブレットの兼用パソコンを主力としています。WindowsやOfficeなどのソフトを開発している会社のため、これらのソフトのトラブルが少ないのが特徴と言えるでしょう。また、利用用途として家庭向けというよりビジネスでも使えるスペックを有していますが、その分、価格は他のメーカー品より高いです。持ち運びやすく、タブレットとしてのディスプレイや別売のキーボードは使い勝手に優れ、大学生や社会人の中でも若い層に人気のメーカーです。
- 得意:ノート+タブレットの2in1モデル。
- 苦手:2in1モデル以外。高価格。
Apple
AppleのコンピュータはOSとして「Mac OS」を搭載しており、一般的な「Windows」のパソコンとは全く異なるものです。周辺機器やソフトウェアなどもMac専用のものが必要なことが多く、Microsoft OfficeもMac専用のものが必要になります。製品としては薄型ノートやモニタ一体型、タブレットが中心ですが、デスクトップ・ノートともにハイエンドクラスの端末はWindowsの店頭販売PCを遥かに凌駕する性能を持っており、クリエイターの方には根強い人気があります。デザインもおしゃれなので、若い方にも人気が高いですね。
- 得意:クリエイティブ向け。デザインがおしゃれ。
- 苦手:Windowsとの互換性に注意。高価格。
実際に選んでみよう!
メーカーの特徴がわかったら、端末選びのポイントを押さえてお気に入りの1台を見つけてみてくださいね。