データ分析や研究を行う大学生・社会人にとって、パソコンの新規購入・買い替えは死活問題です。一昔前はノートPCといえばあのメーカーの端末しかないという状況でしたが、近年はパソコンの性能も上がり、どの端末を選べばよいのか迷ってしまいますよね。ここでは満足できる一台を選ぶために、専門的な使い方もできるパソコンの選び方を紹介していきましょう。
端末選びのポイント
パソコン選びの基礎知識については、以前にご紹介しました。なぜメーカーの公式ページから買うべきなのか気になる方は、これを読んで解決しましょう。

では実際に研究やデータ分析に必要な端末にはどのくらいのスペックが必要なのでしょうか?
ここでは持ち運びもできる端末を想定しましょう。持ち運びを頻繁に行うことを考えると、ディスプレイサイズは15インチ未満という範囲内とします。最近の端末はディスプレイの縁が小さくなったことで15インチ端末でも机の上での存在感は薄くなりましたが、それでも持ち運びを考えると15インチは大きいです。また、持ち運ぶといっても12インチを下回ると今度は画面が小さく、使いやすさに支障がでます。ですのでここでは画面の大きさは「12インチ以上15インチ未満」で考えましょう。
分析・解析のためにある程度の負荷がかかるソフトを使っていくのであれば、CPUとしてはデュアルコアでIntelでいえばCore i5以上の処理性能、さらにメモリが少なくても8GB以上の性能が必要で、可能であれば16GB欲しいところです。この程度の性能があれば専門のソフトウェアが動き、MicrosoftのOffice製品利用にも余裕で耐えられるでしょう。
必要なストレージは悩ましいのですが、もしプライベート用に写真や動画を保存する予定があっても普通は512GB程度あれば十分でしょう。ストレージは外付けHDDやクラウドサービスを利用することも可能ですからね。また、どうしてもというこだわりがないのであれば、データを効率的にダウンロードするためにLANケーブル接続端子がついている方がベターです。
ここからは実際にいくつかの端末を見ていきましょう。
HP: HP ENVY x360

特徴
ヒューレット・パッカード(HP)のHP Spectreシリーズは高いコストパフォーマンスを誇る端末としてもっともおすすめでした。ENVYはSpectreの後継機種としてさらなる進化を遂げかなりの人気を誇ります。
最近のHPはデザインはMacに引けを取らない洗練されたものになっています。また、MicrosoftのOfficeもオプションで追加でき、必要なもの一式を揃えることができる点も嬉しいですね。
公式サイトであればデータ分析を行うのであれば必要な性能レベルに応じたラインナップを選ぶことができます。また、研究用以外の用途であれば兄弟モデルのSpectre Folioも優秀で一考の価値があります。
性能
※公式ラインナップの中で最高の商品について記載
- ディスプレイ:14.0インチ
- OS:Windows 10 Pro
- メモリ:16 GB
- CPU:クアッドコア Intel i7-1165G7
- ストレージ:1 TB (SSD)
- 重量:1.52キログラム
Microsoft: Surface Proシリーズ

特徴
とにかく持ち運びに便利なパソコンを求めるのであれば、MicrosoftのSurface Proシリーズがおすすめです。見た目どおり持ち運びやすいタブレット端末としての使い方をメインとしながら、2in1でノートPCとしても使うことができます。別売りの専用キーボードがコンパクトなのは嬉しいですね。大学やカフェなどPCを持ち歩きたい大学生のニーズを叶えたモデルとなります。
ディスプレイが高画質なため、タッチペンを使ったデザイン作業を行う方にも最適です。
見た目によらず高性能で、ストレージは標準でSSD搭載、CPUもクアッドコアi7を選択可能です。通常のタブレット端末では負荷のかかる研究系ソフトウェアを動かすこともでき、研究やプライベートに重宝するでしょう。
性能
※ラインナップの中で最高の商品について記載
- ディスプレイ:12.3インチ
- OS:Windows 10 Pro
- メモリ:32 GB
- CPU:クアッドコア Intel i7 3.0 Ghz
- ストレージ:1 TB (SSD)
- 重量:2.58 kg
Panasonic: カスタマイズLet's note

特徴
Let's noteといえばパナソニック製ノートPCの中であり、国内大手メーカーの中でも古参として有名なシリーズです。LVシリーズはその中でも14インチディスプレイを搭載した最高級モデルにあたります。標準的なウルトラブックより0.8mm深い約2mmのキーストロークと、デスクトップPCと同等の約19mmのキーピッチを確保し、打ちやすく疲れにくいキーボードを採用しています。
カスタマイズレッツノートシリーズは通常の店頭モデルに比べさらに処理性能が高く、Intel vPro™ テクノロジーにも対応したCPUを搭載。パフォーマンスだけでなくセキュリティ機能やIT資産管理の面でも大きく強化され、生産性の向上に役立ちます。
また、SATA接続のSSDに比べデータの読み書きがより高速なPCIe接続のSSDが採用されています。OSの起動時間や大容量データの転送時間を短縮し、生産性を高めてくれます。最大2TBのSSDにも変更可能で、高速性に加えデスクトップ並みの大容量も兼ね備えています。

性能
※ラインナップの中で最高の商品について記載
- ディスプレイ:14インチ
- OS:Windows 10 Pro
- メモリ:16 GB
- CPU:クアッドコア Intel i7-8665U 1.9-4.8 Ghz
- ストレージ:2 TB (SSD)
- 重量:1.39キログラム
mouse: G-Tune

特徴
マウスコンピューター(mouse)といえば注文を受けてから製品を生産する、いわゆるBTO(受注生産)が有名で、市販の完成品パソコンと比べると細かいカスタマイズが可能となっています。ハイエンドクラスにあたるゲーミングPCのG-Tuneシリーズが有名ですが、中型ノートPCについても本当に必要な性能が厳選して揃っており、お買い得となっています。
マウスコンピューターのパソコンには「mouse」「G-Tune」「DAIV」「MousePro」「iiyama」の全部で5つのシリーズがありますが、いずれも国内生産、24時間365日サポート、72時間修理完了と、最高のサポートを受けることができ、あまりパソコンに詳しくない方にもオススメできるメーカーです。
ゲーミングPCとしても使えるということは動画編集にも使えるスペックを持っているため、データ分析だけでなくプライベートでも様々なシーンで活躍するでしょう。
性能
※ラインナップの中で最高の商品について記載
- ディスプレイ:14インチ
- OS:Windows 10 Home
- メモリ:16 GB
- CPU:クアッドコア Intel i7-8565U 1.8-4.6 Ghz
- ストレージ:512 GB (SSD)
- 重量:1.5キログラム
東芝: Dynabook

特徴
狭額縁ディスプレイを採用するなど、Gシリーズは高密度実装技術を駆使して約308.8mm(幅)×約211.6mm(奥行)のコンパクトなボディとなっています。バッグなどにも簡単に収まり、新幹線や航空機の折りたたみテーブルなどでも作業が可能です。さらに、使える約19時間のバッテリー駆動を実現しており、朝から晩まで出先でも利用可能です。日帰りの旅行や出張などでも、PCのバッテリーを気にすることはありません。また、独自の充電制御技術を生かし、G8シリーズはわずか30分でバッテリー駆動約8時間の充電ができる「お急ぎ30分チャージ」に対応しており、おでかけ前にすぐに充電できるので安心ですね。
また、鮮やかで豊かな色彩表現のSHARP製IGZO液晶を搭載しています。映り込みの少ないノングレア液晶なので、蛍光灯の真下や、明るい太陽光の下でも見やすさが損なわれません。また、ブルーライトを抑えて目にやさしい表示モードにすることもできるほか、広視野角液晶により、上下、左右方向ともに170°の視野角を確保されており、画面を囲んで確認するときにも斜めからでも見やすくなっています。
SATA接続のSSDに比べデータの読み書きがより高速なPCIe接続のSSDが採用されています。PCの起動やデータへのアクセス、データの保存を短縮し、生産性を高めてくれます。また、最大19.2GB/sでデータ転送できる高速DDR4-2400メモリを搭載しており、大きな負荷がかかる360度動画の編集やストリーミング、高精細写真の編集からOfficeファイル作成、Web閲覧もスムーズに可能となっています。
性能
※ラインナップの中で最高の商品について記載
- ディスプレイ:13.3インチ
- OS:Windows 10 Home
- メモリ:8 GB
- CPU:クアッドコア Intel i7-8550U 1.8-4.0 Ghz
- ストレージ:512 GB (SSD)
- 重量:1.5キログラム
Apple: MacBook Pro

特徴
近年人気が高まっているのがMac製品です。以前はSSD搭載がMacBook Airのみでしたが、最新モデルであればMacBook Proにも搭載されている点に注目です。また時間に余裕のある大学生によるYouTube動画投稿が増える中、データ分析などの学術的な用途だけでなく、クリエイター向けの端末としても優秀です。
通常販売されているモデルではSSDのストレージが最大512GBですが、外部ストレージを活用することでストレージとしては十分ではないでしょうか。
13インチと16インチの最も大きな性能上の違いはGPUであり、13インチではプロセッサ(CPU)に内臓されたIntel Iris Plus Graphicsのみを使用している一方、16インチでは強力なRadeon Proを搭載している点です。3Dでレンダリングする際には非常に大きな差異となりますが、これはあくまでプロレベルで利用した場合で、ちょっとした動画再生や通常の分析ソフトウェア利用で差異があらわになることはほぼありません。
YouTubeなどへの動画投稿を考えているのであれば、16インチのモデルを採用すると作業が捗るでしょう。
性能
- ディスプレイ:13インチ
- OS:Mac OS
- メモリ:8 GB
- CPU:クアッドコア Intel i5 1.4 Ghz
- ストレージ:128 GB (SSD) ※Apple Storeで最大2TBまでカスタム可能
- 重量:1.37キログラム
まとめ
どのパソコンにもそれぞれの特徴があり、予算や自分がどんな風にパソコンを使うかなどにより選び方が変わってきます。短めの動画でも編集にはかなりのスペックが必要ですから、スペックには余裕を持ったものを選びたいものです。
ノートPCは高いという印象を持ちがちですが、性能にこだわらなければ5万円程度で買えるものも多いのです。大学生の研究や社会人のデータ分析など、ヘビーな使い方をする方にはそれにふさわしい性能というものがありますから、ぜひ用途にあったお気に入りの1台を見つけてくださいね。