複式簿記で家計簿をつけるメリット〜仕訳例もあるよ

家計簿は単式簿記で記入するのが一般的ですが、本気で家計管理をするなら、複式簿記で家計簿をつける必要があります。資産総額が一目でわかり、少し工夫し預金の出入りをベースに記帳することで、手軽に作成できるようになります。

なぜ家計簿が必要か?

皆さんは子供のころ、貯金箱で貯金したことがありますか?私も小さい頃に貯金箱で貯金していた時には、ちょっとしたお小遣いを貯金箱に入れ、なんとなく溜まったら欲しいものを買うために、貯金箱を小銭を出していくという単純なものでした。しかし、多くの場合、貯金箱には一体中にいくら入っているかわからず、実際に欲しいものが買えるのかどうかもわかりませんでした。

家計簿をつける目的は、言ってしまえば、貯金箱にいくら溜まっているかわからないような状況から脱するためだと言えます。もっといえば、家計簿をつける本当のゴールは、お金が出て行った事実を確認することではなく、「お金を貯めるため」にお金の出入りを管理することです。会社が行っているように、現金出納帳や仕訳帳をつけて、提出するために記帳するわけではありません。結局、お金を貯めたいから、家計簿をつけてみようかなと思うわけですね。

お金を貯めるには、少なくても、収入が出費よりも大きい必要があります。出費が過剰に多くなっていないか、もっと出費を減らす余地があるのかを確認することが必要ですね。そのため、日々の出費を住居費、電気水道ガス、食費、教育費、遊興費などに分類し、もっと減らす余地があるのではないか?と悩むわけですね。

複式簿記で家計簿をつけるメリット

企業の財務状態を知るには、B/Sと呼ばれる貸借対照表、P/Lと呼ばれる損益計算書、およびC/Fと呼ばれるキャッシュ・フロー計算書を使うことが一般的です。これらを用いることで、「資産の状況」「ある期間内の損得」「資金繰りの健全性」を見ることができますね。これらの元となるのは「複式簿記」という決まりに沿って作成される帳簿です。

一方で、多くの家庭で作られる家計簿では「ある期間内の損得」または「資金繰りの状況」のどちらかのみ把握でき、単純なお金の出入りだけを確認することがほとんどです。この管理の方法は「単式簿記」と呼ばれているものです。しかし、この方法では、家庭でどれほどの「資産」や「負債」があるのか把握できないのです。

なぜ、わざわざ「資産」や「負債」の状況を把握しておく必要があるのでしょうか?例えば、ある家庭のある月において収入が現金の出費を上回ったとします。しかし、この状況が健全なのか、貯金が増えるのかは誰もわかりません。なぜなら、実はクレジットカードやローンなどの支払いで翌月以降に出費を繰り越しただけかもしれませんし、この月がたまたまボーナス月で収入が多かっただけかもしれませんね。結局、「翌月以降にいくら支払わなければならないのか?」という負債の状況が、収入と出費の関係だけではわからないのです。

つまり、「複式簿記による家計簿」を作るメリットは、家計の本当の姿を「見える化」するという点にあるのです。

複式簿記で家計簿をつけるには

複式簿記で家計簿を管理することは、言い換えれば以下の3つを管理することになります。

  • 資産総額
  • 負債総額
  • 資産負債の各勘定の残高

これにより一体どのようなメリットが得られるのでしょうか?

資産・負債を簡単に把握できる

表計算ソフトを使って「複式簿記による家計簿」を作ることで、簡単な関数を用いて、残高試算表を半自動的に生成することが出来ます。これにより、ある日における「資産残高」「負債残高」「勘定ごとの残高」が一目でわかる状態にすることが出来ます。

たとえ貸借対照表を改めて作らなくても、作るのと同様の効果が得られるわけです。

特定期間での金額の増減が一目でわかる

特定の期間内における各勘定科目の増減も、半自動的に計算できるようになります。

例えば、貯金はどれだけ増えたのか、食費はどれだけかかったのかが一目でわかるようになります。通常の家計簿では貯金の金額は把握できませんね。

実際に複式簿記でつけてみよう

開始仕訳

一番最初だけは特別に仕訳をきることが必要です。例えば、現金が10万円、預貯金が100万円、クレジットカードの残債が5万円あるときはこんな感じ。

日付借方借方金額貸方貸方金額
1/1現金100,000開始仕訳100,000
1/1預貯金1,000,000開始仕訳1,000,000
1/1開始仕訳50,000カード債務50,000

前月分の仕訳をつけていく

月が変わったら、月初に前月分の仕訳をまとめて行います。まめな性格であれば1週間ごとにしても良いでしょう。

例えば、1/10に食費を現金で1万円支払い、1/11にクレジットカードの5万円が口座から引き落とされた、1/12に給料10万円が振り込まれた、1/20に食費をクレジットカードで1万円支払った場合、こんな感じで仕訳を切ります。

日付借方借方金額貸方貸方金額
1/10食費10,000現金10,000
1/11カード債務50,000預貯金50,000
1/12預貯金100,000給料100,000
1/20食費10,000カード債務10,000

集計作業

集計結果を見て、前月末時点の資産・負債の残高、前月一ヶ月間に発生した費用・収益の金額が把握できるよう作業します。集計結果はこんな感じ。一般には残高試算表と呼ばれます。この段階では、それぞれの勘定科目が貸方と借方どちらにも計上されうるのがポイントです。

日付借方勘定科目貸方
1/31100,000現金10,000
1/311,100,000預貯金50,000
1/3150,000カード債務60,000
1/310給料100,000
1/3120,000食費0
1/3150,000開始仕訳1,100,000
1,320,000(計)1,320,000

この残高試算表からさらに合計し、合計残高試算表を作成します。私はこの集計結果を勘定残高と読んでいます。借方・貸方の残高を相殺し合計する、という集計を行っています。

日付借方残高借方合計勘定科目貸方合計貸方残高
1/3190,000100,000現金10,000
1/311,050,0001,100,000預貯金50,000
1/3150,000カード債務60,00010,000
1/310給料100,000100,000
1/3120,00020,000食費0
1/3150,000開始仕訳1,100,0001,050,000
1,160,0001,320,000(計)1,320,0001,160,000

最終的には貸方と借方どちかのみに計上されるのがポイントです。1/31時点では現金が9万円、預貯金が105万円、債務が1万円、給料が10万円、食費が2万円となります。貸方と借方の金額を"打ち消して"読むことがポイントですね。以下の関係が成り立ちます。

資産の変化(現金-1万円と預貯金+5万円) + 費用(食費2万円) = 負債の変化(-4万円) + 収入(給料10万円)→+6万円

もし家計がこれだけの仕訳であるとすれば、この期間に6万円のプラスだったことになります。もし、単式簿記で普通の家計簿をつけていれば、7万円のプラスになります。この違いはクレジットカードで支払った食費の支払い1万円がカード債務となっているため、現金の支出にはなっていないということですね。違いがわかりますか?

楽に仕訳を管理するためには…?

実際に家計簿を作るとき、どのように管理すれば良いのでしょうか?昔ながらの仕訳帳を使って記帳することも、Excelなどの表計算ソフトを使って、仕訳を逐一入力し、管理することは可能です。しかし、もっと便利なソフトがあるのであれば使わないのは勿体無いですよね。「弥生会計」シリーズなら、家計簿の管理も可能になっています。もともとは個人事業主や企業向けの会計ソフトですので、応用が可能です。ぜひ使ってみてくださいね。

もうひとつの方法はクラウド会計サービスを使うことです。上の「弥生会計」シリーズの親戚にあたる「やよいの青色申告」は定番中の定番ですね。最近では「freee」や「MoneyForward」も有名になってきました。どのソフトも確定申告が楽になることに加え、普段の記帳が便利になる機能がありますから、ぜひ活用していただきたいものです。

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ポイント還元がある

多くのクレジットカードではポイントが付与されます。ポイントが高めのカードであれば、1%程度はポイントが付与されるので、毎月の出費が実質1%減ることになります。これはよく考えればとても大きな差です。もちろんポイント目当てに無駄な買い物をすることは、NGですからね。

楽に家計簿をつけるには?

家計簿や青色申告用の仕訳帳を少しでも楽に作りたいなら、現金による支払を避けることが基本です。なるべく多くの支払いを銀行引き落としやクレジットカード払いにしておくと、クレジットカードの明細により、後からでも仕訳をつけることが簡単です。現金払いだとこのようにはいきませんね。現金決済はなるべく避けるようにしましょう。

クレジットカード支払いをすれば、家計簿アプリと連携することで自動で資産管理を行うことが可能です。スマートフォン用のマネーフォワードMEなら無料版を利用できますから、ぜひダウンロードして使ってみるとよいでしょう。

マネーフォワードME

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