最近、TOEICの試験対策に「公式単語集」が発売されました。TOEIC公式からの参考書といえば、それまでTOEIC公式問題集だけでしたが、満を持して公式のボキャビルの登場です。しかしTOEIC単語集といえば「金フレ」と呼ばれる「金のフレーズ」が有名で、最近では「金のセンテンス」も登場しています。今回は公式単語集の使い勝手を「金フレ」と比較していきましょう。
TOEIC公式単語集の概要
TOEICではそれまで「公式問題集1」から「公式問題集4」まで、4冊の公式問題集を出していました。一時はTOEICが大学入試に使われることが検討されていることもありましたが、そんなことが叫ばれていた2019年6月、「公式単語集」および「公式問題集5」の発売が発表されました。公式単語集の概要は以下の通りです。
タイトル | TOEIC Listening & Reading 公式ボキャブラリーブック |
発行元 | 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会 |
体裁 | B6判、272ページ 学習に便利な赤シート付き 音声ダウンロード ※ 音声ダウンロードには「audiobook.jp」への会員登録(無料)が必要。 |
価格 | 本体1,400円 + 税 |
発売日 | 2019年6月25日(火) |
購入方法 | 紙版:全国の書店・大学生協・インターネット書店 電子版:Amazon kindle、楽天koboなどの主要電子書店 |
ISBN | 978-4-906033-56-0 |
本の表紙やタイトルからは読み取れませんが、内容はTOEIC頻出の1,000単語を例文とともに掲載というフォーマットをとっています。
ここまで書くとお察しの方もいるかもしれませんが、この単語掲載数やフォーマット自体には目新しいことはありません。しかも、TOEIC対策のためのボキャビルといえば金フレとして名高い「金のフレーズ」(最近は「金のセンテンス」としてバージョンアップ)や「TOEIC L&R TEST 英単語スピードマスター」などの有名本がある中での登場で、「どのような情報が公式から提供されるか」という点に注目を浴びました。
公式単語集から読み取れる出題の見解
他の単語帳と比較する前に、公式単語集から読み取れることのできる「TOEIC出題に対する見解」を紹介しておきましょう。
いうまでもなく、TOEICは英語を使って日常生活やビジネスの簡単な意思疎通を図ることができるかを問う試験となっています。他の試験と比較してみると、例えばTOEFLでは日常生活の英語というより、大学の講義の内容で出てくるような「専門的な用語」が多用されているように、TOEFLははっきりと専門的なコミュニケーションをとることができるという点に重きを置かれています。言い換えると、TOEICでは難しい専門的な単語の意味は問われることがなく、仮にTOEIC問題中に出てきた場合でも意味が分からなくても問題を解くことができるという特徴があります。
この傾向はTOEIC公式単語集から読み取ることができます。実際、公式単語集を見てみると例文を含めても専門的な用語は極めて少ないことがわかります。
実際に他の単語帳と比較してみた
実際のところ、公式単語集はTOEIC対策にどれくらい使えるのでしょうか?公式問題集を使ってもスコアが上がらなのであれば、TOEIC協会へのお布施もいいところです。(この際、TOEIC試験で英語の能力を測っている時点で、TOEIC協会の思惑通りというのは一旦忘れましょう笑)
比較対象は、TOEIC対策の単語帳として名高い「金のフレーズ」(金フレ)、ハイスコア者が愛用する「TOEIC L&R TEST 英単語スピードマスター」(スピマス)の2冊です。金のフレーズは「金のセンテンス」にグレードアップしていますが、今回はより実績のある金フレで比較していきましょう。
公式単語集 | 金フレ | スピマス | |
発売日 | 2019/06/21 | 2017/01/06 | 2018/01/25 |
収録語数 | 1,000単語 155熟語 |
1,308語 | 3,000語 |
目標スコア | 600 | 600~990 | 600~900 |
ページ数 | 271 | 288 | 359 |
価格(税込) | 1,540円 | 979円 | 1,540円 |
この表で注目すべき点は単語数と対象となる層である目標スコアです。公式単語集は目標スコアを600としており、単語数も絞られていることが読み取れます。逆に、スピードマスターはターゲット層を初心者からハイスコアを目指す方としており、単語数も充実していることがわかります。金フレはその中間ですが、スコア帯つまりレベル別に習得すべき単語を設定できているといえます。
1単語あたりの価格という観点からは、公式単語集は圧倒的にコスパが低く、スピマスは価格の割に単語数が充実しています。金フレは収録単語数こそスピマスより少ないのですが、価格ももっとも抑えられていることがわかります。
また、掲載されている単語の順番という観点では、金フレやスピマスはおおまかに目標レベルごとに分かれています。一方で公式単語集で出る単語はすべてTOEICの基本となる単語ですので、レベルや頻度で分かれているという印象はありません。
結論としては、公式単語集を積極的に選ぶ理由はないといえます。
まとめ
TOEICの公式単語集に関しては、積極的に選ぶ理由はみつかりませんでしたが、すべての公式本がおすすめできないわけではありません。例えば同じTOEICでも、公式問題集は最近の出題傾向(リスニング問題の3人の会話やリーディング問題のトリプルパッセージ)に合わせた良問となっています。自分に合った単語集を見つけることは難しいのですが、周囲の方のやAmazon等のレビューも参考にしてみるとよいでしょう。