世の中には様々な資格や検定がありますね。社会人になると、会社からやたらと資格を取るように言われたり、同僚が合格したと噂を聞いて肩身が狭くなる経験、ありませんか?今日はそんな「資格」に関する話題です。
よく言われませんか?
会社から言われる耳が痛くなることってなんでしょう?その代表例が冒頭でも出てきましたが、
資格を取りなさい!
かと思います。仕事として勤務中ならいざ知らず、プライベートまで自己研鑽をするように言われると、心理的にはなかなかハードルが高いですよね。
なんで資格が必要と言われるんだろう?
なぜこんなにも資格を取るように言われるのか、考えてみました。
- 仕事をする上でマストだから
- 昇進の要件になっている
- 仕事を進める上で役に立つ
これは会社から見た考え方ですね。順にひとつずつ見ていくと、マストな資格といえば、免許があります。ある業務を行うために、各人が持っていなければならないものってありますね。例えば、お医者さんや弁護士さんはイメージしやすいですが、保険や株式を売る人、営業の車の運転など挙げればきりがありません。また、お店や施設ごとに必ず一人は資格の保有者が必要みたいなものもあります。
会社の制度上、昇進の要件になっていることもあります。例えば、英語でTOEICの試験が◯◯点以上とか、その業界の専門知識を問うようなものがあります。
純粋に日常業務に役立つ見込みが高いとされて、取得を奨励される資格もあります。簿記とか、ビジネス実務法務検定とか汎用的なものが多い気がします。言い換えれば、社会人として備えるべき基礎知識とも言い換えることができるのかもしれません。
なんで資格が必要なんだろう?
逆に、わたしたちから見て資格を取る必要性ってなんでしょうか?
- やりたい仕事に就くために必要
- 昇進して給料が上がる
- 仕事を進めるスキルが上がる
- 就職・転職のため
- 趣味・教養のため
上の3つは会社から見た必要性の裏返しですね。4つ目の就職・転職のためというのは目指す業界・企業に入るために自分の価値をあげるものと言えるでしょう。
最後は、例えば書道とか色彩検定とかアロマセラピストなどでしょうか?もちろんそのような業界で仕事をされている方もいらっしゃるとは思いますが、多くの人の受験動機はプライベート面によるところが大きいでしょう。
資格の分類?
わざわざ資格を構造的に整理したことのある人はあまりいないでしょうから、資格の種類を一度整理してみます。
- 国家資格
- 業務独占資格
- 名称独占資格
- 設置義務資格(必置資格)
- 技能検定
- 公的資格
- 民間資格
そもそも国家資格は国の法律に基づいて認定されるもので、4つに分類できます。業務独占資格は資格を持っている人だけがその業務を行えるというものです。資格がないのに業務を行うと法的に罰せられるもので、医師、看護師などが該当します。
名称独占資格とは資格を持っている人だけがその名称を名乗ることができる資格で、混同させるような名称を名乗ることも禁じられています。保育士、保健師、作業療法士などが該当します。
設置義務資格とは必置資格ともいい、特定の事業を行う際に、法律で設置することが義務づけられている資格です。保育士、保健師、作業療法士などが該当します。
技能検定とは仕事上で必要とされる技能の習得レベルを国が認定するものです。技能士として111職種で設定されており、建築大工、ファイナンシャルプランナーなどが該当します。
公的資格という区分は基準があいまいですが、何らかの理由により公的性質を帯びてかつ国家資格ではない資格のことです。商工会議所法に基づき日本商工会議所や各地の商工会議所が主催する検定試験(簿記)が代表例です。
民間資格は国家資格や公的資格に該当しないもので、民間団体や個人が設定できるものです。独自の審査基準や任意で付与できるという点はありますが、一部の業界によっては一定以上の知識・スキルを習得していることを担保するものもあります。
社会人がとるべき資格って?
資格の分類は先に述べた通りですが、ここでは社会人にとって役に立つという視点でどのような資格がより有益なのか考えて行きます。
まずは業務独占資格を狙え!
やはりその資格がないと業務をできないということは、周りの人と大きな差をつけるチャンスになります。会社に勤めながらでもギリギリ取得できるもので、どの企業でも役に立つ可能性があるものとして公認会計士や税理士が該当します。転職やその後のキャリアを考えても、監査法人の経験はとても魅力的です。
もちろんメリットが大きい反面、資格の予備校に通うなど、かなりの努力が必要になり、場合によっては撤退もありえるかもしれません。そういったリスクへのヘッジや通過点として何らかの形になる方法を必ず考えておきましょう。例えば、公認会計士には到達できなくても、日商簿記1級に合格していれば、一定の評価が得られます。
業界資格を狙え!
CIAやUSCPAなど汎用的な資格がある一方で、その業界ではとても信頼度の高い資格というものがあります。例えば金融業界ではアクチュアリーや米国証券アナリスト、建築や土木では技術士、IT業界では情報処理技術者試験やOracle・Ciscoのベンダー資格などがあるでしょう。これらの資格は業務に必要なスキルのベースになるとともに、その知識を証明する手段にもなりえます。
CIA(公認内部監査人)の詳細を見てみる USCPA(米国公認会計士)の詳細を見てみる
各業界でどんな資格があり、難易度やメリットについては自分で調べてみましょう。自分で調べ考えることで、目的意識の明確化や勉強のモチベーション維持という効果があります。
結局、資格って役に立つ?
私自身の経験から言えば、資格はキャリアや自己研鑽を証明する手段として有用だと思います。もちろん畑違いの資格が役に立つとはなかなか言い難いですが、フィールドの異なる業界に飛び込む時、今の業界の経験と飛び込む業界の知識を合わせ活用できれば、大きく活躍することができるかもしれません。
人事業界ではよく言われることですが、これまで大企業ほど、いわゆる「ジェネラリスト」、つまり薄くても広い経験が重要視されていました。しかし現代では薄く広いだけでも、1点に特化した専門性だけでもなく、「多分野の専門性をまたぐ人材」が求められています。T字型人材やπ字型人材という用語が流行り、H型人材、トライアングル型人材という言葉も出てきましたが、本質は「ゼネラリストと複数の分野のスペシャリスト」という特徴を併せ持つことに希少性や重要性があるということです。
もちろん資格を取るために業務を疎かにすることは本末転倒ですが、多くのスキル・知識を身につけ、周りの人に信頼されながら働くことができれば、仕事への満足感も増すことでしょう。