ビジネスパーソンからよく聞かれるのが、「役に立つ資格は何か?」という質問だ。社会人になれば勉強しなくても良いと考えがちだが、むしろ継続的な学習を求められるのが社会人だ。社会人としての常識、スキルアップのためなど様々な目的がある。今回はそんないまどきの資格事情を紹介していこう。
なぜ資格なのか?
「日本人は資格好き」と聞いたことはあるだろう。確かに海外と比べると日本ほど資格検定が多い国は見つからない。専門的なもの、ビジネスに役立つもの、はたまた趣味などそのバラエティは多岐にわたる。
ビジネスにおいてなぜ資格をとるのかといわれれば、業務独占資格のようにある業務を行う上で必須となる資格(例えば医師や弁護士)の他にも、自身のスキルを証明する手段として役立つと考えられるからだ。
実際、会社の昇進条件にも資格取得が上げられることが多くなっていると思う。
おすすめしたい資格 十選
金融系・財務系
日商簿記2級
多くの人が思い浮かべる手頃な資格といえば「簿記」の資格だ。学生からビジネスパーソンまで幅広い層が受験している。
簿記はいくつかの機関が主催しているものがあるが、その中でもっとも有名なのが商工会議所主催の「日商簿記」である。日商簿記2級は商業簿記はもちろんのこと、管理会計のベースとなる工業簿記が試験範囲に含まれており、実務に役立つ試験となっている。
協会認定証券アナリスト(CMA)
より高度な資格であれば、協会認定証券アナリスト(CMA)があげられる。金融系の会社に勤めている人はもちろん、メーカーや商社などでも財務やIR、M&Aに関わる仕事をしている層に人気の資格だ。
証券分析、財務分析、経済が主な出題範囲となっており、数式にあまり抵抗のない人にはキャリアアップに有用な資格となるだろう。
ファイナンシャル・プランニング技能士2級
金融系の仕事以外にも、普段の生活に役立つ資格がこのファイナンシャル・プランニング技能士2級(FP2級)だ。
保険や不動産のことはもちろん、ライフプランニングやリスク管理、税金や相続が試験範囲に含まれており、ビジネスとしてだけでなく学校では教えてくれない、社会人なら知っておきたいマネーの基礎知識を身につけられる。
ビジネス系
知的財産管理技能検定
現代社会において、価値のあるものが知的財産だ。国際的な競争が激しくなってきた今日、知的財産をめぐる権利関係の問題は複雑化している。
知的財産管理技能検定では、そんな複雑な知的財産をめぐる権利や管理方法について学べる検定となっている。
ビジネス実務法務2級
より法律に特化した資格がビジネス実務法務検定だ。
簿記やFPの資格同様、ビジネスとしてだけでなく社会人なら知っておきたい法律の基礎知識を身につけられる。
中小企業診断士
中小企業診断士はコンサルタントや融資に関わる人に人気の資格だ。将来的な独立も可能。
合格後も中小企業診断士同士のネットワークが濃いことから、人脈面でもプラスになるかもしれない。
TOEIC
今日では海外との仕事も避けられないものになってきた。その中でも手頃に英語を学べるのがTOEICだ。
昔からあるリスニング・リーディングに加え、スピーキング・ライティングのTOEICも登場し、注目度が上げっている。
技術系
ITパスポート・情報セキュリティマネジメント
ビジネスパーソンなら普段パソコンに触らない日はないことからも、ITやセキュリティに関するリテラシーはさらに重要性を増している。
ITパスポートはIT全般、情報セキュリティマネジメントはセキュリティに重きを置いた試験となっている。
応用情報技術者
より高いITリテラシーを身に付けたいなら応用情報技術者がおすすめだ。
技術者ならば基本応用情報技術者が求められることも多いが、試験範囲にプログラミングが必須となっており、ややハードルが高い。応用情報技術者は文系の方でも十分合格が可能な試験になっている。
JDLA検定(AI・ディープラーニングの検定)
AIの時代がやってくると言われて数年になるが、いよいよその実現が現実味が増してきた。そんな中おすすめなのがJDLA検定、通称AI検定だ。
JDLA検定というのは正確だがあまり一般的な名称ではなく、一般的には「G検定」と呼ばれるジェネラリスト向けの検定と、「E資格」と呼ばれるスペシャリスト向けの資格がある。いずれもAIの基礎となるディープラーニング(深層学習)だ。
資格の関連して、AI・ビッグデータ時代の到来により「プログラミングの習得」も人気だ。その習得方法については次の記事も参考にしてほしい。
ぜひ継続して学習を続けていき、資格取得を通して学ぶ意欲を満たすとともに自分の市場価値を高めていってほしい。