FXの”Sell in May”とは?|知っておきたい5月の相場

5月といえば相場ではセルインメイ(”Sell in May.”)というアノマリーが有名です。アノマリーとは原因は明確にはわからないけれども、そのような傾向が観察されるという意味で、相場の世界ではアノマリーを制するものが相場を制します。ここではFXのSell in Mayとおおまかな相場の動きについて理解しておきましょう。

Sell in Mayとは?

Sell in May(セルインメイ)とはアメリカ株式市場のアノマリーのひとつであり「5月は株が上がりやすいのでポジションを(売って)整理し、9月半ばまでは相場から出て行け(休め)」というものです。

ここ数年の主要各国の株式市場の傾向を見てみると、4月に高値天井をつけ5月中旬頃から売られる典型的な「Sell in May」パターンで推移してきました。特にアメリカの株式市場は5月末から9月にかけ株価が下落しやすく、9月半ばから上昇していく傾向がありました。

by: Bloomberg

これは、欧米では6月後半から8月末まではバカンスのシーズンにあたり、休暇を取る投資家も多く、市場参加者が減少し、マーケットプレイヤー不在の薄い相場となることで株価が下がりやすくなるから、と説明されることが多いです。

他にも、ヘッジファンドの「45日ルール」説、米国の税還付金が投資に回るのが5月まで行われる説など複合的な要因で発生するとも言われます。

“Sell in May and go away. But remember to come back in September. ” 要するに、「夏の相場は軟調で低調」になりがちだと言えます。

5月の為替相場の傾向

5月の為替相場でいえば、株式市場の影響を受けやすいという特徴があります。

日本の株式市場に参加する投資家の過半数は外国人投資家であり、為替市場の動向も彼らの動き次第です。アメリカ株式市場と連動する形で、日本株式市場も同様の動きになりやすく、日本でも「Sell in May(5月に売っておけ)」を意識する必要があるのです。

過去の傾向では日本の株式市場の低下が先行し、そのあとで米国の株式市場が低下する傾向があります。

そのため日本の相場市場について考えられる標準的なシナリオは「夏は円高、株安」となります。

by: Bloomberg

過去の為替の動きを見てみると、5月はそれほど円高傾向が顕著ではありません。というのも、5月から8月にかけてゆっくりと円高が進むため、5月単月で見ればそれほど動きはないように見えます。

過去の5月の大きな動き

過去にSell in Mayが大きく破れた時期は、最近では2007年〜2009年です。この時期は、住宅バブル崩壊〜リーマンショック〜世界金融危機の時期と重なるため、異常相場となっていました。

この時期はファンダメンタルズでもビッグニュースが出にくいため、大きなショックも発生しにくい時期であるといえます。

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