12月といえば年末の時期にあたり、FXの世界でも12月のアノマリーが有名です。特に2020年はCOVID-19によるニュースで大きく市場が動き、かなり苦戦した方も多いのではないでしょうか?ここでは12月の傾向と市場の動きについて見てみましょう。
12月は値動きが大きい月
ご存知の方も多いように、トレードの世界には「アノマリー」と呼ばれる市場の合理性だけでは説明できない傾向が存在します。
12月の為替市場に関していいえば、「12月は1年の中でも2番目に値動きの大きい月」であるといわれます。(1番大きいのは3月)
この原因としては、ひとつには年末や年度末にキャッシュを多めに持っておきたいという機関投資家やヘッジファンドのポジション動向により相場が左右されているためと言われています。
特に多くの人は一時的に米ドルキャッシュを持っておきたいという思惑から、12月は月初と年末にかけてドルに対して円安に傾きやすいという傾向があります。
2020年の為替相場の傾向
2020年の為替相場は、少しのニュースで相場が大きく動きやすいという特徴に注視する必要があります。
ひとつにはCOVID-19ワクチンができた一方で変異種がイギリスで出現し猛威を奮っているというニュースです。
2020年11月9日には米製薬大手のファイザーがCOVID-19に対するワクチン開発の報道がなされると株式相場は一気に上昇し、為替も報道と同時に瞬間的に大きく動きました。その後もワクチン報道から楽観的な相場(いわゆるワクチン相場)が形成されているのが現状です。
しかし北半球が冬を迎え、12月に入り気温が下がって乾燥すると、やはり今年も猛威を奮っているというのが現状です。日本でも東京では12/18に「新型コロナ対応と通常医療、医療資源はどちらもひっ迫している」と小池都知事が会見を行いました。

変異種報道もあり、ワクチンの有効性が疑問視される見方が専門家からも上がるなど、依然としてCOVID-19の動向には注視する必要があります。
もうひとつが香港自治法に関する米中問題の再燃による市場の反応です。
COVID-19市場になる前の2018-2019年ごろは、国際問題といえばまさに「米中問題」というほどトランプ大統領の発言が市場を動かしていました。
大統領は2021年1月に変わるものの、退任まで何をしでかすかはわかりません。そしてそれに乗じて中国が香港に対して過剰な圧力をかけることや、米国の対中政策に反発し過激な報復処置をとることも大いにあり得る状況となっています。
そのため12月は年末から年始にかけて目を離せない状況が続きます。