FXのリスクとは?
相場変動リスク
為替レートの変動による大きな利益が期待できる反面、当然損失を受ける場合があります。レバレッジにより証拠金の何倍もの取引を行うことができるため、損失が預託した証拠金を超え、さらなる証拠金を請求されることもあるのです。2015年1月15日のスイスフランショックでは、急激な変動による本来想定されるロスカット価格を大幅に超す値段でのロスカット処理が行わなわれました。2016年6月23日のイギリスの欧州連合離脱是非を問う国民投票の結果、スターリング・ポンドの急激な変動は、損失が預託した証拠金を超え、多くの投機家が破産に至るケースもありました。
流動性リスク
外国為替市場では1日に約300兆円もの取引が行われていますが、短期間に大量の注文が発生した場合に、希望した金額で取引が成立しないリスクがあります。又、経済指標の発表時・要人の発表などによる流動性の低下により、スプレッドが拡大することが多々あります。
システムリスク
インターネットなどのシステムを通じて取引を行う際のリスクもあります。つまり、取引業者によっては、毎朝スワップポイントが付与されるタイミングでメンテナンスを行う取引業者があります。そして、その時間帯に、損切りのために入れていた逆指値も自動ロスカットの処理も行わない取引業者があります。そのため、その時間帯に巨額の損失が発生する可能性があり、自動ロスカットが効かなかったため、追証となることもあるのです。このような取引業者でデイトレード以外を行う場合は注意が必要です。取引業者のサーバダウン、回線のトラブル、停電等で思う様な取引ができないというリスクもあります。
信用リスク
くりっく365や大証FXを除き、業者が破綻などをすれば顧客も損失を被るおそれがあります。例えば、顧客から委託された証拠金を、自社の資産とは別勘定で信託銀行に信託分別管理するといった保全管理をしていない業者の場合、たとえ分別管理されていても、業者が破産手続を行った場合、破産法上の一般破産債権に分類される危険性に晒され、破綻した際には預託していた証拠金がまともに戻ることは期待できません。2007年、エフエックス札幌という業者では、顧客が持っているポジションが強制清算され、かつ証拠金が返金されない事態が発生しました。業者によって証拠金の(保全)管理方法が異なるので、約款などで確認する必要があります。
また、一部分の信託保全か100%信託保全かどうか、どこの銀行に信託保全しているかも確認する必要があります。2012年、イニシア・スター証券では、違法な使い込みにより信託保全すべき資金の不足が発生した事例もあり、信託保全方式は結局のところ業者のモラルに依存することが多いのです。又、国内において業者の支払不能対策保険契約の対策を行っている業者は確認されてなく、証券会社業界や商品取引員業界に存在する業界の投資家保護基金がなりません。また、業者が破綻せずとも、当該FXサービスから撤退・サービス提供を中止することがあり、この場合、投資家が未決済ポジションの決済を迫られることがあります。このリスクは大証FXなどの取引所FXでもありえます。
ロスカットとは
FXでは上記のように様々なリスクが存在します。
未確定(決済前)の損失である含み損が一定の水準に達し要な証拠金率を維持できない場合、ポジションを自動的に強制決済する仕組みのことです。
ロスカット(または強制ロスカット)と聞くとネガティブな印象を持たれる方もいるかもしれませんが、むしろ逆です。ポジションを自動的に強制決済するロスカットは損失の拡大を防ぎ、投資家の資産を守るための安全装置的な役割を果たしています。
どのような金融商品であっても損失をかかえてしまうリスクがつきまといます。FXも例外ではなく、利益を期待して取引開始したものの為替レートの動き次第では大きな損失になることもあります。お客様の損失額が拡大し不足金が発生してしまう事態を避けるために、ロスカット制度がありますのでしっかりと内容を理解しておきましょう。
FX会社によっては、証拠金維持率が80%や50%以下でロスカットになる会社もあれば、ロスカットのルールの違いによるコースが複数用意されユーザーが選べる会社もあります。
ここで注意しておきたい点があり、FX口座の証拠金維持率が基準以下になった場合にロスカットが執行されますが、証拠金維持率が基準以下となる価格での約定や損失額を保証するものではないということです。流動性の低下などにより、ロスカットのための決済注文が約定せずにさらに損失が拡大してしまうリスクがあり、預託された証拠金を上回る損失が発生する可能性もあります。この場合には追加証拠金、通称「追証」を差し入れることが求められます。