FXの業者を選ぶ上でもっとも気になるのがコストの観点での比較です。FXのコストといえばスプレッド幅に注目しがちですが、手数料は他にも様々なものがあります。ここではFX業者を必要な手数料で比較したランキングを見ていきましょう。
FXにおける手数料とは
FX業者を手数料で選ぶ上で、まずはFXを行う上でどのような手数料が存在するのかを把握しておく必要があります。ここでは為替ディーラーの世界では常識であるものの、個人の投資家にあまり知られていない手数料の全てを見ていきましょう。
スプレッド
FXにおける手数料といえば、まずはスプレッドが思い浮かぶでしょう。
実はスプレッドそのものは決済レートを通して損益に影響するという意味で、厳密には手数料ではありません。それでもスプレッドは手数料のひとつとして分類されることが一般的です。
スキャルピングやデイトレードのように短時間に多くの取引を行う場合、一回の取引にかかるスプレッドの影響が大きくなります。毎回の取引にかかるコストが高くなってしまえば、その分得られる利益も減ってしまいます。特に、短期的な取引をしたい人はスプレッドの狭さを重視する必要があります。
しかし手数料におけるスプレッドとは、よく言われているスプレッドの狭さ、つまり「スプレッド幅」だけではありません。
スプレッド幅
巷でよく言われているFXのスプレッドとは、実際には「スプレッド幅」のことを指しています。

スプレッド幅とは、売り注文の価格(Bid)と買い注文の価格(Ask)の間の価格差、つまり開き具合のことです。
約定力
約定力とは、自分の意図するレート通りに注文が成立できるかどうかということです。FXにおいて「約定する」とは「注文が成立する」ことを指しています。FXにおける実質的なスプレッドは、スプレッド幅にスリッページを加えたものであるといえます。

市場が大きく動いた時にはスリッページが頻発します。スリッページとは、自分が意図したレートと実際に約定されたレートの差です。スプレッドがいくら狭くても、約定力が低いと実質的な取引コストは高くなってしまいます。約定力が低いほど、スリッページが発生しやすくなります。
約定力は相場が大きく動いた時にも注文を拒否しないサーバーの強さと大きく関係します。業界有数の証券会社系列の業者や、有名なインターネット系の会社はサーバーが強く約定力が高い傾向にあります。

業者によっては許容スリッページを設定できるところもあり、このような業者ではスリッページが許容値を超えた場合に約定しないようにすることができます。
提示率

提示率とは、標準スプレッドをどのくらいの割合で配信したのかという実績値のことです。つまり標準スプレッドで取引ができる確率と言い換えることができ、提示率は高いほど良いです。
提示率は年95%以上あれば非常に高い水準であると言えます。また、業者を選ぶ上でスプレッド幅は原則固定が望ましく、さらに提示率が高いほどスプレッドが開きにくなります。
原則固定と変動制の違い
スプレッドの「原則固定」とは、その名の通り原則スプレッドは固定されているが、為替相場が乱高下する際(経済指標の発表前後や要人発言がある場合など)は変動することを示しています。
「変動制」とは、常にスプレッドが変動する可能性があり、特に明け方など流動性の低い時間帯で大きくなる傾向にあります。
つまり原則固定の方が取引コストを抑えられるということです。
DDとNDDの違い
国内のFX業者では、為替レートを提示するにあたり専門のディーリングデスクを置くことでレートをある程度調整する、DD(ディーリングデスク)方式が一般的です。
DD方式と対極に位置するのがNDD(ノーディーリングデスク)方式です。NDD方式では専門のディーリングデスクを置かず、レートを調整せず「そのまま」配信しています。そのためNDD方式では決まったロジックでレート配信と注文の執行が行われているのですが、マーケットで予想外のことが起こった場合に備える防衛手段が十分でないというデメリットがあります。

業者の中にはNDD方式である点を大きなメリットとしてうたっているところがあります。もちろん自然体で需給を反映できるというのはNDD方式のメリットです。一方、NDD方式のデメリットはトレーダーが想定している以上の変動リスクを負うことであり、大きなマーケットの動きが発生した場合にはデメリットが顕著に現れます。
例えば、2015年1月のスイスフランショック、2018年8月のトルコリラショック、2019年1月のフラッシュクラッシュではNDD方式採用業者を利用している投資家が大きな損失を出しました。
2018年8月のトルコリラショックの際には、8月10日15:14-15:17の間で提示レートが存在しない程に急落し、この時間帯前後の10分間でトルコリラ/日本円レートは19.2円前後から17.6円前後まで下落しています。その下落率は10分で約10%と過去に例を見ないボラティリティが瞬間的に発生しました。

国内大手としては珍しくNDD方式を採用しているLION FX(ヒロセ通商)では、トルコリラショックでトルコリラ/日本円のスプレッド幅が一時的に約4円(40pips)にも拡大しました。つまり約19円で買い注文が約定した直後、評価レートであるAsk値が約15円になるわけですから、買い注文が刺さったその瞬間にポジションの20%にあたる含み損(評価損)が発生します。当然、即ロスカットとなる投資家が続出し、巨額の損失を被りました。
なお、国内業者ではDD方式が主流であり、海外業者ではNDD方式が一般的です。
取引手数料
取引手数料とは取引のたびに必要となる手数料のことです。株式の取引をイメージするとわかりやすいのですが、1日の取引金額に応じたあるいは1取引の取引金額に応じた手数料のことを意味します。
FX業界では国内業者についてはほぼ全ての業者で取引手数料が無料ですので、とても助かりますね。ただし、業者によっては「プロまたは大口投資家向け」または「MT4やMT5を使える」取引コースで取引手数料を課すこともあります。
建玉手数料(スワップ支払)
建玉手数料とは取引の結果、ポジションを保有している残高に応じて発生する手数料です。

FXの世界では建玉手数料とはスワップの支払い側であるといえます。通貨ペアの金利差によってはスワップポイントの支払いが発生しますが、この支払い側のスワップポイントも業者によって異なるのです。
多くの場合、受取り側のスワップポイントが優遇されていれば、支払い側のスワップポイントも良好で投資家にとって有利な業者であるという傾向があります。
ロスカット手数料
ロスカット手数料とは、必要証拠金を維持できずロスカットが発生した場合にその事務手数料として必要となる手数料のことです。FX取引を長年行っていれば一度はロスカットを経験するものですので、その手数料を考慮することは重要です。
国内業者では現在はかなりの業者でロスカット手数料が無料となったのですが、一部の業者ではいまだに残っています。
例えばFX取引量で世界一を誇るGMOクリック証券のFXネオでは、ロスカット手数料が設定されています。その手数料は1万通貨単位ごとに500円(税込)となっており、ロスカットにより損失が確定した上にロスカット手数料が必要になるといえば、まさに泣きっ面に蜂という状況になるといえますね。
入出金手数料
入金あるいは出金時の手数料がこの入出金手数料です。
入金であれば即時入金にかかる手数料がありえますし、出金も円貨で行うか外貨で行うか、その出金額がどのくらいか、出金先口座がどの金融機関か等により変わってきます。
入出金手数料は無料である方がよいのはいうまでもありませんね。
口座開設手数料・口座維持手数料・残高利息
口座を開設または維持するために必要となる手数料です。日本では馴染みがないかもしれませんが、海外の銀行では口座を維持するための手数料がかかることが一般的です。
幸いなことに、2017年ごろまでは一定期間取引のない口座に対して口座維持手数料を徴収する業者もありましたが、現在では国内のFX業者では口座開設手数料および口座維持手数料が無料となっています。口座開設のハードルは非常に低く、まずは様々な口座を開いて比較してみるという選択を行いやすくなっています。
また口座残高利息も考慮する必要があります。利息というとわかりにくいですが、マイナス金利に伴い発生する支払利息のことを指しています。
欧州圏でのユーロ預金口座でよく知られているように、金利がマイナス圏に突入した通貨では、リテール向けの口座に残高があるだけで利息を支払う必要があるということは有名です。
国内業者ではFX口座に残高があってもマイナス金利の利息がつかないので安心です。もちろん利息程度の金額なのでわずかですが、気になる方は海外業者の利用の際には注意しましょう。
手数料で比較したFX業者ランキング
1位:DMM FX
FX国内口座数No.1の人気の理由は、サービスレベルの高さです。手数料であるスプレッドは業界他社と比較でも業界最低水準。また、取引量に応じて「取引応援ポイント」がもらえるため、さらにお得です。
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利用者の評価

様々なツールが提供されており、自分にあったものを選べるのは強みだと思う。

ストリーミングでのワンクリック注文時に、設定しておいた損切り注文を同時に入れる機能をよく使っています。損切り注文を入れ忘れることもなく、昼間に相場を見れないときも安心です。
2位:外為どっとコム
評価
94点/100点
ー
取扱通貨ペアが30と業界最大手より充実しており、スプレッドや約定力が気になる方はもちろん、ニュースをはじめ情報提供サービスが充実など魅力的なサービスが揃っています。
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- 初心者にも嬉しいセミナー
原則固定スプレッドは主要通貨ペアで業界最低水準。入金時はもちろん、出金手数料も完全無料(外貨出金には非対応)。手数料だけでなく、バリエーションに富んだ取引ツールに加え、ニュースの情報源やセミナーの豊富さは業界トップレベル。
利用者の評価

他社にも同様の情報提供サービスは存在しますが、情報の豊富さやセミナーの開催数は業界でもトップレベルで、とてもサポートが充実していると思います。
3位:みんなのFX
取扱通貨ペアが27と他社を圧倒しているのが最大の特徴です。スプレッドや約定力が気になる方はもちろん、スキャルピングが可能など魅力的なサービスが揃っています。
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利用者の評価

マーケットに馴染みがありませんでしたが、セミナーを通して基本的なことを聞くことができ、とてもサポートが充実していると思います。
4位:マネーパトナーズ
評価
91点/100点
ー
マネーパートナーズといえば業界トップレベルの約定力を誇り、パートナーズFX nanoでは100通貨から取引可能。FX専業初の東証一部上場を実現しているなど業者としての信頼性も抜群です。
- 業界トップレベルの約定力
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- 株式を証拠金にすることも可能
- 業者としての信頼性
100通貨から取引可能で初心者にもおすすめ。出金手数料は月5回まではマネーパートナーズ側の負担で無料(6回目以降は400円(税別)、外貨出金は2,500円かかるため要注意!)。手数料だけでなく、約定力は業界数十社の中でもトップレベル。
利用者の評価

業界No.1の約定力でスリッページ0%は驚異的です。
5位:YJFX!
取引単位が1,000通貨からとなっており、主要通貨ペアのスプレッドは業界最狭水準。もちろん約定力や、取引に応じて現金・PayPayがもらえるなど魅力的なサービスが揃っています。
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- 1,000通貨から取引可能
- 人気ツールCymo
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原則固定スプレッドは主要通貨ペアで業界最低水準。入金時はもちろん、出金手数料も完全無料(外貨出金は1,500円かかるため要注意!)。取引回数に応じて現金またはPayPayがもらえる点も高評価です。
手数料だけでなく、バリエーションに富んだサービスや取引ツールも業界トップレベル。
利用者の評価

取引回数に応じて現金かPayPayがもらえるのが、とても嬉しいです。