FXのファンダメンタルズ分析とは|人はなぜファンダメンタルで負けるのか?

FXの代表的な分析手法といえば、ファンダメンタルズ分析があります。しかし、FXの多くのトレーダーを見ていると、ファンダメンタルズ分析で負けている人をよく見かけるでしょう。実際、ファンダメンタルズで負けている人が多いというのは本当なのでしょうか?ここではそんなファンダメンタルズ分析について詳しく見ていきましょう。

人はなぜ、FXのファンダメンタルズ分析で負けてしまうのでしょうか?

その答えは、ファンダメンタルズへの過信です。

詳しくは以下を見ていきましょう。

FXのファンダメンタルズ分析とは?

ファンダメンタルズとは、国際的な景気・経済状況、そして各国の経済指標などを指します。日本語では「経済状態を判断するための基礎条件」となります。

為替相場は、その通貨を発行する国の経済状況や期待成長に大きく左右されます。

FXにおける「ファンダメンタルズ分析」とは、その国の景気や動向や金利、経済ニュース、政府の財政状態や中央銀行の金融政策などを詳しく分析し、為替の動きを探る作業のことです。

投資家だけでなく経済評論家や政治家など様々な人々の推定が含まれるという意味で、長期的には実際の市場は「ファンダメンタルズ分析から推定される相場展望」へ収束していくと期待されます。

ファンダメンタルズ分析の実践

経済指標

アメリカ雇用統計

数ある経済指標の中で、もっとも影響度の高い指標が「アメリカ雇用統計」です。

重要指標の発表

アメリカで言えば雇用統計の他にGDPなどがあげられます。

また、各国の中央銀行が発表する政策金利も為替相場に大きな影響を与えます。

地政学リスク

貿易摩擦

2017から2019年まで問題となった「米中貿易問題」は様々な市場に影響を与えました。

異常気象や災害

2011年に日本で発生した大地震もまた、日本に関わる市場へ大きな影響を与えました。

トレンド

要人の発言

政策関連の発言で、急激に市場が動くこともあります。

人はなぜファンダメンタルズで負けるのか?

相場観の外れ

ファンダメンタルズで負ける原因として「相場観の外れ」があります。

経済評論家やニュースを見ていると、「それは逆じゃないか?」と思うこともあるでしょう。利益を狙ってポジションを取る際には、「これはチャンスだ」という自分の見込みで大きなトレードで勝負に出ることでしょう。

実際には、ファンダメンタルズから予測される中長期の相場展望についていえば、大抵の場合「多くの人が考える方向が正しい」のです。これは少し考えてみれば当然で、多くの人が考えるファンダメンタルズから想定される将来へ向かって市場は収束していくのですから、大勢と逆というのは多くの場合、外れてしまうのです。

そして「自分の見込み」で大きな勝負に出ることは、得てして「投資」ではなく「投機」となりがちです。

また、ポジションをとる際に指値注文を使うこともよくないです。「安くなったところで買う」という押し目買いはマーケットの動きとしては下向きで「逆張り」となり、「高くなったところを売る」ときにはマーケットは上向きでやはり「逆張り」、つまり指値注文が約定になる場面というのは、マーケットの動きと逆のリスクを取りにいっているわけです。

資金管理の甘さ

ファンダメンタルズで負ける原因として「資金管理の甘さ」があります。

トレーダーに求められるもっとも重要な要素のひとつが「資金管理」です。

ファンダメンタルズ分析は主に中長期の動きに対して有効な手法です。短期的な動きを重視していないため、より大きな利益を狙い、高いレバレッジをかけてしまうことで大きな含み損が発生してしまうことです。

資金管理が甘いと、短期で生じた含み損が他のトレードを妨げる原因となったり、レバレッジを甘く見ていると必要証拠金を維持できず最悪ロスカットされてしまうこともあります。

また、ついつい行なってしまうナンピンは「資金管理の甘さ」の観点からもNGなトレードのひとつです。

想定外のビッグニュース

ファンダメンタルズで負ける原因として「想定外のビッグニュース」があります。

これはもっとも避けることが難しく、そして多くの投資家が莫大な損失を出してしまう要因となります。

ここでは2015年のスイスフランショックの例をあげてみましょう。

スイスフランショックとは、2015年1月15日、スイス国立銀行(中央銀行)の政策変更により引き起こされた、外国為替市場の大混乱のことです。

2011年からヨーロッパ各国はギリシャの財政問題に端を発した債務危機に苦しんでおり、安全通貨や避難通貨としての価値があるスイスフランへの買いから、スイスフランのレートが高くなる流れが止まりませんでした。

この急激な値動きに危機感をもったスイス国立銀行は、2011年9月6日に「スイスフランのレートを一定以上高くしない」と宣言し、外国為替市場で「無制限のスイスフラン売り」の強硬な為替介入をスタートさせたのです。

理論上、国内通貨を無制限に発行し売ることで、無限に売り介入が出来ることになります。スイス中央銀行が行った為替介入はまさにこの方法であり、スイスフランが一定以上高くならないよう、スイス国立銀行はひたすらスイスフランを売り続けたのです。そのため、トレーダーはスイス国立銀行が用意した防衛ラインである1.2000 EUR/CHFを狙えば、FXで無限に利益をあげることが可能でした。市場コンセンサスによって、スイスフラン相場は絶対に底が抜けないレンジ相場となっていました。

2015年1月スイスフランショック時のEUR/ CHFチャート
2015年1月スイスフランショック時のEUR/CHFチャート

スイスの介入がされるものの、じりじりと下降していくトレンドの中、ついに2015年1月15日の午前10時30分(現地時間)、スイス中央銀行が「為替介入をやめる」と発表しました。

わずかな時間でユーロ/スイスフランが下落(ユーロに対しスイスフランが急騰)し、そのレート幅は、防衛ラインとされていた約1.2 EUR/CHFから、一時0.8517 EUR/CHFまで約41%下落したのです。この衝撃的な相場へのショックが「スイスフランショック」と呼ばれるものです。

ファンダメンタルズ分析による投資で利用したい業者

情報発信力で選ぶ

ファンダメンタルズ分析は様々な経済指標をもとに調査・分析を行なっていく手法です。業者を選ぶ上では様々な情報や専門家の調査・分析を行い、情報発信力が高い業者を選びたいものです。

FX会社には国内で登録されているものだけでも数多くありますが、ポイントは「証券会社系のサービス」に注目しましょう。証券会社系のサービスでは、社内やグループ内に豊富なリソースやネットワークを有しており、ニュースの取り扱いだけでなく専門家とのコネクションも、素人はもちろん独立系や銀行系FX会社の比ではありません。

独自の調査・分析や情報発信で選ぶのであれば、DMM.com証券の「DMM FX」やトレイダーズ証券の「みんなのFX」がおすすめです。

スワップポイントで選ぶ

by: YJFX!

ファンダメンタルズ分析は中長期的なトレンドをつかむ分析手法ですから、必然的にスワップポイントの有利不利が収益を左右することから、スワップポイントで業者を選ぶことになります。

スワップポイントで選ぶのであれば、「みんなのFX」や「LIGHT FX」がおすすめです。経験豊富な投資家にとって業者を選ぶ観点はスワップポイントの高さだけでないので、次の記事で学んでみましょう。

>> スワップポイントで業者を選ぶポイントとは?

通貨ぺアで選ぶ

ファンダメンタルズ分析を行なう中で「この通貨なら中長期で利益となりそうだ」とわかったとしても、実際に取り扱いのある通貨ペアでなければ取引することはできません

通貨ペアだけで選ぶといっても、スプレッドやサービスも無視できないですよね。通貨ペアを総合的な観点で選ぶのであれば、「LION FX」や「OANDA Japan」がおすすめです。経験豊富な投資家にとって業者を選ぶ観点は通貨ペアの多さだけでないので、次の記事で学んでみましょう。

>> 取り扱っている通貨で業者を選ぶポイントとは?

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