本当にお得?くりっく365の特徴と一般業者との違いとは?

くりっく365とは

「くりっく365」は、2005年7月に日本初の公的な取引所FXとして、東京金融取引所が上場した取引所為替証拠金取引の愛称です。
また、「くりっく365ラージ」は、2015年11月に上場した、スプレッドを重視する投資家及び法人等の大口投資家向けの取引所為替証拠金取引の愛称です。
(※「くりっく365ラージ」は「くりっく365」の新規上場商品となります。その為、「くりっく365」口座で取引が可能となります。)

くりっく365とは?|くりっく365公式ホームページ
【くりっく365】は、公正・健全なFX取引を求める声を受けて東京金融取引所が上場した日本初、現在唯一の公的な取引所による外国為替証拠金取引(FX)の愛称です。有利な価格提供の仕組み、公的な取引所のFXだから安心など・・・

日本で個人向けFXが始まったのは、1998(平成10)年に遡ります。この年、外国為替及び外国貿易法(通称、外為法)が改正され、証券会社や先物取引会社がFXのサービスを開始し、個人でもFX取引が可能になりました。その後、投資意識の高まりや、インターネット環境のブロードバンド化も重なったこと、そして投資効率が高いというFXの特徴にも注目が集まり、多くの会社でFXという商品を取り扱うようになりました。
しかし、当時は取引を規制する法律や監督官庁が定められていなかったため、一部の悪質なFX会社による勧誘行為や証拠金の扱いに関するトラブルが頻発し、健全で個人投資家も安心して取引に参加できるFX市場へのニーズが高まりました。
このような状況を受け、FX取引を規制する改正金融先物取引法が2005(平成17)年7月に施行され、それと時を同じく、東京金融取引所により上場されたFXの愛称が「くりっく365」なのです。

「くりっく365」は、2013年からの手数料無料化もあって、口座数は90万口座、証拠金預託額は4,600億円を突破するなど多くの投資家から高い評価を得ています。
しかし、スプレッドを重視する一部の投資家及び法人等の大口投資家から、手数料がかかってでも、スプレッドをタイト化して欲しいという要望があがりました。
そこで、このような投資家のニーズに応えるため、取引手数料はかかりますが、スプレッドをタイト化し、更に取引単位を10万通貨単位と大きくした新商品として、「くりっく365ラージ」を上場することになりました。

くりっく365とFX業者の違いはあるのか

上場取引と非上場取引の違い

定義に立ち返ると、くりっく365と通常のFX業者では上場取引か非上場取引(相対取引)かという違いがあります。

上場取引とはある特定の市場を通して多くの人が取引に参加することができる取引形態のことを指します。上場している場合は、参加者が誰かを問わず、市場に対して行われる注文によって価格が決定し、多くの人の価格に対する観測の相違が、実際に取引される価格となると考えられています。

一方、非上場取引(相対取引)とは文字通り、ある特定の相手と直接取引を行うことです。FXの世界では、厳密に言えばFX業者が直接取引相手となる形式と、FX業者がインターバンク市場との取引を介在する形式があります。

一般的に、後者では取引先リスク、つまり取引先が適正に決済を執行しないというリスクがあります。

税制面での違いは?

先に結論を述べておくと、税制上の扱いからくりっく365での取引は、通常のFX業者よりも優れている点が以前はあったのですが、現在は税制上の扱いは変わりません。

くりっく365が現れた当時、税制上での扱いはくりっく365での取引は申告分離課税、通常のFX業者での取引は総合課税という違いがありました。
平たく言えば、申告分離課税は「損失の繰り越し」「損益通算」という、メリットがあります。

そして、通常のFX業者を利用して得られた利益は、2011年12月31日までは雑所得として総合課税の対象となっていたのですが、2012年1月1日から雑所得の申告分離課税に扱いが変更になりました。
これにより、税制面での観点からはくりっく365のメリットは無くなったと言えます。

取扱業者としての違い

くりっく365では公的機関、つまり東京証券取引所が取り扱っているという安心感があるという特徴があります。

通常のFX業者では取引や口座管理はすべてそのFX業者が行っています。過去にFX業者が倒産したり、証拠金を不正に取り扱ったりすることでトラブルが発生してきました。
東証がかかわっているという意味で、取引参加者からの市場の信頼があるというメリットがあります。

取り扱い通貨の違い

くりっく365では上場している通貨しか取引できないことから、取引できる通貨が14に限られています。

国内で登録している業者であっても最大で100を超える通貨ペアを提供している業者もあることから、通貨ペアが限定されるということは取引カバレッジや得られる利益が限定されることを意味します。この点ではくりっく365のデメリットであるといえるでしょう。

レバレッジ上限の違い

くりっく365ではレバレッジ取引も可能で、その最大レバレッジは25倍です。通常のFX業者と差はありません。

コスト面での違い

くりっく365は、以前は取引1回あたりの手数料が210円と「取引手数料が高すぎる」として、投資家からの評判はあまりよくありませんでした。そこで2013年10月より取引所振興策として取引所取引の取引手数料が無料化されました。

通常のFX業者でも現在はほとんどの業者で取引手数料は必要ないことから、取引手数料という観点では差がないといえるでしょう。

error:Content is protected !!