米SEC、XRPで知られるリップル社を提訴へ、価格変動に注意!

米SEC、XRPで知られるリップル社を提訴へ

2020年12月23日、米証券取引委員会(SEC)は米フィンテックのリップルを同社が取り扱う暗号資産(仮想通貨)「XRP」を巡り提訴した。SECはXRPを有価証券とみなし、証券法の投資家保護違反で訴える。一方、リップルはXRPは通貨だとして、SECに反論している。

この報道を受けて仮想通貨で3番目に高い時価総額を持つXRPの価格は急落した。これを受け、22-23日にかけて一時13%下落した。

XRPのチャート
暴落するXRP。2020/12/21 17:00頃は約57円/XRPだったが、12/24 5:00頃に一時26円/XRPをつける

なぜリップルが標的になったのか?

数ある暗号資産の中でもなぜリップルが米SECにより提訴されるに至ったのか?その理由はリップルをめぐる不透明な取引に由来している。

元々、仮想通貨を有価証券とみなすかどうかについてSECや業界関係者の間で激しい論争が続いていた。SECは「代表的な仮想通貨のビットコインやイーサリアムは発行が分散化されているため、有価証券に該当しない」との見解を明らかにしている。一方、他の多数の仮想通貨の位置づけは明確にしていなかった。

仮想通貨は「投資契約」に基づくものではないし、その発行会社がある程度保有を続けることで資産価値を有するものの、仮想通貨それ自体が会社の発展の恩恵を直接保有者へ還元されるものではない。実際、過去には司法省や財務省傘下の金融犯罪取締ネットワーク部局を含む米国政府の他の主要な部門は、すでにXRPが通貨であると判断した。

しかし、現在、XRPに関していえば、証券法が適用される有価証券とみなされる可能性がある。報道されている内容としては、「日本を含む暗号資産交換業者はリップル社からXRPを市場価格よりも安価に仕入れることのできるインセンティブ・プログラムを提案されていた」とのことであり、この業者はSBIグループのSBI VCトレードが中心であると見られている。もしこれが本当であれば、リップルに出資しているSBIはリップルという会社の恩恵を受けて仮想通貨を安く仕入れ、一般の取引参加者へ市場の価格へ売却していたことになり、これは有価証券の発行と違うところはない。

もしXRPが証券と指定されれば、SECに発行登録をして厳格な開示手続きをする必要がある。一方、通貨とみなされれば、こうした必要はない。XRPを巡っては、投資家がリップルに対して複数の集団訴訟を起こしている状況だ。

この一連の報道を受け、XRP価格が急落しただけでなく、SBIホールディングスの株価(8473)も24日に11%超下落した。

しばらくはXRPで急激な価格変動が生じると見られ、想定以上の損失が発生する可能性があるので注意してほしい。

error:Content is protected !!