「貸仮想通貨(レンディング)」という言葉を聞いたことがあっても、その仕組みや、どの取引所でできるのか分からないという人も多いのではないでしょうか。レンディングとは、自分が保有している仮想通貨を第三者へ貸し出し、貸借料を利息として稼ぐ取引手法です。トレードに自信がない方でも、確実に利息を受け取ることができるため、長期投資を行う投資家を中心に人気が高まっています。
貸仮想通貨(レンディング)とは
仮想通貨レンディングとは、投資家が保有している仮想通貨を仮想通貨取引所に貸し出し、期間と貸付数量に応じた利息分を仮想通貨で得られるサービスです。長期的な値上がりを期待して仮想通貨を保有し続けるつもりの投資家にとって、着実に仮想通貨を増やせる魅力的な運用方法の一つです。
レンディングサービスを提供する仮想通貨取引所は、「貸し手」と「借り手」を仲介する役割を担います。仮想通貨の借り手は仲介者に金利を支払い、手持ち資金の数倍の金額を動かせる「信用取引」に利用しています。これが仮想通貨レンディングの仕組みです。なお、利用には仮想通貨取引所による審査や借入枠の制限などがあり、必ずしも貸出が実施される訳ではない点も覚えておきましょう。
貸仮想通貨(レンディング)のメリット
手間をかけずにキャッシュフローを受け取れる
満期に利息分が元本に上乗せされて戻ってくるレンディングは、手間をかけずに利子として仮想通貨を受け取れるというメリットがあります。もちろんこの受け取った仮想通貨は売却もできますから、事実上キャッシュフローを得られたと見ることができます。
仮想通貨市場は価格変動が大きいことで知られており、相場が上下するたびに一喜一憂していては疲弊してしまうばかりです。特に投資経験が浅い方にとって、相場をチェックしながら、エントリーし利確ポイントを見極めるという短期投資で利益を重ねていくのは容易ではありません。
一方、レンディングは仮想通貨の保有量を確実に増やすことできるため、トレードをせずに仮想通貨を運用したいと考えている人におすすめです。
利息は預金よりも高い
貸仮想通貨の年率はおよそ1~5%に設定されています。マイナス金利の昨今では銀行普通預金の年率が0.001%〜0.02%であることを踏まえれば、貸仮想通貨の利息設定は十分に有利だと言えます。
なお、利息の年率は貸出期間ごとに異なっており、期間が長いほど高い年率を得られるという方式が主流になっています。
持ち去りなどのリスクは低い
仮想通貨取引所を仲介者とするレンディングサービスでは、個人間の貸し借りで発生する可能性がある「資産持ち逃げ」などのトラブルを回避できるメリットがあります。
取引所は契約に準じた管理を行うため、個人の貸し借りで起きやすい不正が起こりにくく、貸し手・借り手の双方にとって安心して利用できる仕組みとなっています。
貸仮想通貨(レンディング)のデメリット
価格変動リスクは残る
仮想通貨の貸付当初と契約満期の段階とでは仮想通貨の価格が変動しているため、投資家は仮想通貨の価格変動リスクを負うことになります。
仮想通貨を貸し出している間は、満期まで資産を移動することや売却することが基本的にできなくなります。資産価格が高騰して利益を確定したい、または反対に暴落し損切りしたくなった場合にも資産を動かすことが難しいため、取引所の契約ポリシーをしっかり押さえておくことが重要です。
業者の破綻リスクを負う
万が一、仮想通貨取引所が破綻した場合は、貸仮想通貨に預けた仮想通貨が戻ってこないというリスクもあります。
例えばCoincheckの「貸仮想通貨サービス」の場合、Coincheckと投資家が無担保契約である「消費貸借契約」を締結します。つまり、Coincheckが破綻した場合、ユーザーが貸付けた仮想通貨が返還されないというリスクがあります。
また、「貸仮想通貨サービス」は預金保険の対象外です。そのため、すべての保有通貨を貸出することをせず「資産の一部のみでレンディングを利用する」というように、リスク分散を考慮した投資戦略が必要となってきます。もちろん業者の破綻リスクを許容できるのであれば、その限りではありません。
貸仮想通貨(レンディング)できる業者の比較
現在、レンディングが可能な国内の大手業者は3社あります。
Coincheck | bitbank | GMOコイン | |
---|---|---|---|
対応通貨 | 13種類 ビットコイン、イーサリアム、XRP、 ビットコインキャッシュ、ライトコイン、 リスク、イーサリアムクラシック、 モナコイン、ネム、ファクトム、 ステラルーメン、クアンタム、 ベーシックアテンショントークン | ビットコイン | 8種類 ビットコイン、イーサリアム、 ビットコインキャッシュ、ライトコイン 、 XRP、ネム、ステラルーメン、 ベーシックアテンショントークン |
貸出期間・年率 | 14日、30日、90日間、 180日、365日/1%、2%、3%、5% | 1年間 /1%(1 BTC≦ X <5 BTC)、 2%(5 BTC ≦ X < 10 BTC)、 3%(10 BTC以上) | 1ヶ月、3ヶ月、 6ヶ月/2%、4%、5% |
最小単位 | 10万円相当 | 1 BTC | 0.1 BTC |
中途解約 | 原則不可 | 可:解約手数料5% | 可:解約手数料:償還時 受取予定の貸借料の10% |
募集期間 | 空き枠が発生次第 | 毎月1日から月末まで | 毎月15日から、翌月 15日貸出開始分を受付 |
業者により少しずつサービスが異なっており、必要に応じて使い分けることが求められます。もちろん、業者の破綻リスクを分散するという意味でも、複数の業者を使い分けることには意義があります。
- リスク分散のため
- 取り扱っている通貨が違う
- 取引の条件が異なる
多くの通貨を選ぶなら:Coincheck
Coincheck

Coincheckは当サイトで最も人気の国内取引所・販売所です。2018年1月のハッキング事件後は新規登録を停止していましたが、東証一部上場のマネックスグループが買収し、年末には取引も再開しています。
Coincheckの特徴
Coincheckの最大のメリットは国内でもっとも多くの通貨の取り扱いがある点です。他社では多くても7-8種類程度ですが、Coincheckでは2020年時点で12種類もの取り扱いがあります。
ただし、他社との比較という意味では、Coincheckの利用は主に「ビットコイン現物のみ」となるでしょう。というのも、ビットコイン以外のアルトコインは販売所取引のみで、やや割高です。
ビットコイン現物を保有するのであれば、貸仮想通貨にも注目です。貸仮想通貨とは、保有している仮想通貨を業者へ貸すことで貸借料をもらえるサービスのことです。
過去には不正アクセスにより仮想通貨が流出したこともありましたが、現在ではセキュリティが強化され、安心してい利用することができます。
また、使いやすいアプリも評判が高いです。
ビットコイン現物なら:bitbank

bitbankは安定性・安全性に定評のある業者です。
bitbankの特徴
bitbankの大きな特徴は取引所取引で6種類もの通貨を扱っている点です。
特に「BCH(ビットコインキャッシュ)」「LTC(ライトコイン)」「MONA(モナコイン)」を買うのであれば、メイカー手数料がなんとマイナスなので、購入時の手数料としては非常にお得です。
アルトコインの中では「ETH(イーサリアム)」「XRP(リップル)」が特に注目されている通貨です。注意点としては、bitbankではこの2通貨についてはビットコインを介して購入するという点です。
少ない通貨量からなら:GMOコイン

GMOコインは国内業者の中でも利便性から支持されている業者です。
GMOコインの特徴
GMOコインの大きな特徴は使いやすいアプリが用意されいてる点です。
特にスマートフォン向けの「ビットレ君」は優秀で、分析から注文までユーザインターフェースが洗練されており、多くの利用者からの支持を受けています。
通貨の種類も少しずつ増やしており、サービス面でも最大手に迫る勢いで、まさに今おすすめの業者であると言えます。